HbA1cの基準値・意味は?高いときに下げる方法は?
健康診断の血液検査で血糖値を測る基準が
2013年から変更になってHbA1c値が使われるようになりました。
以前は、日本独自のJDSという基準で測定していましたが、
混乱を招くことから、世界基準のNGSP基準のHbA1c値が
使われるようになりました。
HbA1c値は、JDS規格に0.4を足すとNGSPの基準になります。
数値も似通っているために、
以前測定したHbA1c(グリコヘモグロビン)の
値の比較は気をつけてください。
HbA1cの基準値は?
HbA1c値(呼び方:ヘモグロビン・エーワン・シー)の基準値は以下のようになります。
- 貧血・慢性腎炎等:~4.8%
- 健康時の基準値:4.9~5.5%
- 正常高値:5.6~5.9%
- 糖尿病予備群:6.0~6.4%
- 糖尿病の疑い:6.5%以上
糖尿病以外には、甲状腺機能亢進症、ヘモグロビン症なども疑われ、
精密検査にて確認が必要です。 - 合併症予防の基準値:7.0%未満
同時に、空腹時血糖値:130mg/dl、食後2時間後血糖値180mg/dlが目安になります。
HbA1c値が、4.9~5.5%なら問題なし(正常)、6.5%以上になると、糖尿病や甲状腺機能亢進症などの疾患の疑いがあります。
5.6~6.4%の範囲は、正常値と糖尿病等の疑いとの境界値で、6.0~6.4%は糖尿病予備群とされ注意が必要です。
糖尿病や合併症が疑われる場合は、空腹時血糖値、尿検査(糖尿)が基準値の範囲かどうかの確認(再検査など)も必要です。
糖尿病の疑いがある場合は、経口ブドウ糖負荷試験などを実施し、糖尿病であるかを判断します。
経口ブドウ糖負荷試験は、空腹時の血糖値を調べた後、
75gのブドウ糖液を飲み、1時間後・2時間後の血糖値を
調べて、血糖値の推移をみることで糖尿病を診断します。
HbA1cの意味は?
HbA1cは、血中にあるグリコヘモグロビンの濃度を示しています。
グリコヘモグロビンとは、赤血球に含まれるヘモグロビンと血糖が結合したものです。
ヘモグロビンは、赤血球の大半を占めるタンパク質で、
ヘモ=鉄を意味しており、ヘモグロビンが不足すると、酸素が不足し、貧血になります。
血糖は、血液中に含まれるブドウ糖です。
食事や運動により血糖の量はすぐ変化をします。
そのため、血糖値は測定前の行動に左右されるため、健康診断などで正確に糖尿病を検査するには若干、不向きなのです。
一方、Hb1Ac(グリコヘモグロビン)は、血糖が高い状態が続くと、赤血球のヘモグロビンに血糖がくっつき、血中のグリコヘモグロビン濃度が徐々に高まっていきます。
そのため、HbA1c(グリコヘモグロビン)は比較的、値が安定しており、血糖値を調べるのに適しているんですね。
赤血球の寿命は1-2ヶ月のため、過去1-2ヶ月間の血糖値の状態を調べることができるのです。
そのため、前日お酒を飲んだり、激しい運動をした場合でも、HbA1cは、影響を受けにくいため検査値として使われるようになっています。
HbA1cが高いなら?下げる方法は?
HbA1cが高く6.5%以上ある場合は、病院で
診断を受け、医師の指示に従ったほうがいいです。
HbA1cが若干高い、6.2%-6.5%の場合は、
糖尿病予備群ですので、血糖値のコントロールを気をつけます。
HbA1cを下げる方法としては、糖質制限の食事療法がメインです。
血糖値が上がりやすい炭水化物・甘い食べ物は控えます。
血糖値は、食事で摂った「糖質」が血液中に流れることで上昇します。
そのため、食事の糖質を減らすことでHbA1cを下げることになります。
主食としている、ご飯やパンをやめたり、減らすだけでもかなりHbA1cが上がるのを防止できます。
ですが、糖質は体・脳を動かすエネルギーでもあるため、全く食べなくすると危険です。
現在の食事から糖質の量を減らすなど、医師と相談しながら改善するといいです。
また、悪玉コレステロールを増やさないよう
オメガ3を増やす食生活にするとよいです。
まとめ
- HbA1cは、1-2ヶ月前からの血糖値を知ることができる
- HbA1cは、6.2%未満なら正常、6.5%以上は精密検査が必要
- HbA1cを下げるには、糖質制限・オメガ3を多く摂る食生活がよい