物忘れがヒドすぎると病気?チェックすることは 30代・40代も要確認
若い年齢でも急に物忘れがヒドすぎると、病気かも?と心配になりませんか。
30代・40代~なりやすい物忘れの病気は、若年性認知症などがあります。
認知症というと、60代以降になるイメージがありますが、若い方でもなる可能性があります。
認知症になる初期症状として、「軽度認知障害(MCI)」が若い方でも起きている可能性があります。
認知症は、日本の高齢化社会においては10人に1人がなるとされており、誰もがなりうる病気です。
ですので、認知症の芽は早めに摘んでおいた方がよいです。
若い方の「物忘れ」は、病気でない可能性もありますが、念のためにチェックしておいたほうがよいと思います。
そこで、「病気による物忘れ」と「病気以外の物忘れ」の違いや、軽度認知障害(MCI)のテスト内容などについてご紹介します。
目次
病気?物忘れがヒドすぎる時にチェックしたいことは?30代・40代も要確認
物忘れには、病気と、病気以外(加齢)による物忘れの2種類があります。
- 病気の物忘れ
脳神経細胞が壊れることで発症(アルツハイマーなど)
脳卒中、頭部外傷による後遺症により発症 - 加齢による物忘れ
加齢により脳神経細胞の働きが衰えることで起きる
病気による物忘れは、次のような特徴があります。
新しいことを覚えられない
病的な物忘れの特徴は、新しいことを「全く」覚えられないことが増えていきます。
「新しいこと」とは、毎日の出来事、体験などがあったことを、なかったかのように忘れます。
少し忘れるのではなく、体験した事自体を全部忘れてしまうのです。
昨日あった出来事、今朝にしたことを覚えているでしょうか?
例えば、「昨日レストランに行った」「今朝、Aさんに電話した」などの体験がすっかり思い出せなくなると、注意が必要な物忘れです。
また、日常生活では、同じものを買ってきたり、同じことを話したりして、周囲の方が違和感を感じるようになります。
特に、日付・時間や場所の記憶が飛んでしまい、いつ・どこで・何をしたかを思い出せないことが多くなります。
病的でない物忘れならば、出来事・体験したことは覚えていて、詳細が思い出せない感じです。細かいことが思い出せるようであれば、問題ないかと思われます。
単なる物忘れは、すぐには思い出せないことがあっても、少し時間を取れば思い出せます。
物忘れの自覚がない
病的な物忘れは、自分の物忘れの自覚が少ないです。
自分が前より物忘れが激しくなっている自覚はあるでしょうか?
もし、物忘れがヒドくなったかも?と自覚しているなら、病的な物忘れである可能性は少ないです。
病的な物忘れは、忘れたことを自覚していないので、周囲の方から指摘を受けると、ごまかしたり、激しく抗議したりします。
病的に物忘れが激しくなった時は、ご自身よりも家族などの周囲の方が気付くことが多いです。
ただ、物忘れがヒドくなっていることを自覚している場合でも、気になるようならば病院で診断を受けてみて頂きたいです。
スマホ・料理などの手順を忘れる
病的な物忘れになると、スマホ・パソコン・料理などの手順が分からなくなり、操作などで迷うことが増えます。
最近、スマホ・パソコン・料理などをしている時に、途中でどうしてよいか分からなくなった事はあるでしょうか?
病気の物忘れが進むと、物事の判断能力が下がり、操作や手順、計画を立てて、実行できなくなります。
そのため、料理など手順と判断が必要なことが苦手になってきます。料理などを始めてから、途中で色々迷って何をしたらいいか、分からなくなることが増えてくると注意です。
病気で物忘れが進行するとどうなる?
病気の物忘れが激しくなる・多くなると「若年性認知症」になるリスクが高いと言えます。
認知症は初期症状・前段階があり、次のように進行することが多いです。
若年性認知症は、進行が早く約10年ほどで認知症になるとされています。
そのため、気づいた時点で出来るだけ早めに対処することが大事です。
物忘れが激しくなったかも?と思った時点で、軽度認知障害(MCI)のテストを受けるとよいです。
MCIのテストは、「物忘れ外来」などの病院で受診するといいです。
結果的に問題がなくても、早めにチェックしておくと安心できます。
また、将来的に認知症の発症リスクを減らすためにも、定期的にMCIテストを実施するといいですね。
病気による物忘れの原因は?
病気で物忘れが激しくなる原因は、次のとおりです。
- 脳卒中による後遺症
脳卒中による後遺症から、軽度認知障害・若年性認知症になる事が多いです。
脳卒中は、脳梗塞・脳内出血・クモ膜下出血などの脳血管の病気です。
脳の血管の病気で後遺症が出ると、脳神経の働きが悪くなるため、認知症になるリスクが高まると言われています。
そのため、脳卒中にならないよう生活習慣病を予防する、再発防止することが大事です。
- 脳変性による脳神経細胞の破壊
脳変性とは、病気などにより脳の大脳皮質が萎縮することです。
大脳皮質が萎縮し、脳神経細胞が破壊されると、記憶力・判断力がなくなっていきます。
アルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症・前頭側頭葉変性症があります。
遺伝による若年性認知症も含まれます。ただ、若年性認知症のほとんどは遺伝性でないと言われています。
- アルコール性認知症
長期間に渡り、アルコールを飲み過ぎると認知症になることがあります。
アルコールは認知症にとっては良くないです。
- その他
抑うつなどの気分障害などで若年性認知症になることがあります。
病気でない物忘れの原因は?
病気でない物忘れの原因は、次のことが考えられます。
- 加齢
- 慢性的な疲労
- 慢性的な睡眠不足
- 抑うつ的な
- その他
慢性的な疲労、睡眠不足などの体調が悪い時は、記憶があいまいになることがあります。
睡眠不足や疲労が溜まりすぎると、注意不足など脳の働きも悪くなっていきます。
可能な限り、十分な睡眠を取って、疲れを癒やしてください。
体調が改善すれば、物忘れも減ってくると思われます。
眠れない・焦燥感があるなど心配な時は、精神科などを受診してもよいと思います。
物忘れがヒドイ時は何科に行く?
物忘れがヒドイ時は、MRIなどの設備がある認知症を診断できる病院に行くことが大事です。
普通の精神科などに行っても、薬を出して終わり、とならないためにも、専門医に診てもらうことが重要です。
- 認知症サポート医
厚労省が認定する医師 - 認知症専門医
認知症学会など認知症を専門にしている医師 - 物忘れ外来
MRI・SPECTなどの設備がある病院が良い - 一般診療科
精神科、脳神経外科、老年内科 →認知症の専門か確認した方がいいです
軽度認知症のテスト内容は?
軽度認知障害(MCI)のテストは、医師からの質問で口頭で答えるMMSEテスト、長谷川式認知症スケールなどがあります。
若い年代での認知症を判断するのは、難しいとされています。
MRI、CTの画像検査でも、認知症がある程度進行しないと、画像では判断するのが難しいです。
脳細胞の縮小が始まっていると、認知症も進んでしまっていて、治療が遅れてしまうのです。
そのため、認知症の実績がある病院・医師の診断を受けることが大事です。
- MMSEテスト(ミニメンタルステート検査)
医師から口頭で、記憶力・計算力・言語処理能力などの検査を行う。 - 長谷川式認知症スケール
MMSEを日本人向けにアレンジしたテスト。 - 血液検査
アルツハイマーの原因物質であるアミロイドβなどのタンパク質があるか検査する - MRI、頭部CT
脳細胞の収縮などを検査する - SPECT
薬剤を飲み、脳の血流を検査する
物忘れがヒドくなってきたと心配がある方は、早めに病院で診断をして頂きたいです。
若年性認知症は、早期発見・早期治療が認知症に発展しない重要なカギなのです。
今は問題ないかも・・と思っていても、将来の問題になってくる可能性があるので、お大事にして頂きたいです。
まとめ
- 物忘れがヒドくなってきたら、病気によるものか加齢によるものかをチェック
- 体験したことをまるごと忘れてしまう、同じことを繰り返すことがあると注意
- 周囲から物忘れがヒドイと心配されるようなら、早めに認知症の病院で診断してもらう
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