夏の水分補給はスポーツドリンク・水?熱中症の飲み物の選び方
夏になると気温が上がり、熱中症になる方が増えています。
特に最近の夏は、急激な暑さになることもあり、水分補給をしっかりしておきたいです。
熱中症で脱水症状にならないために、スポーツドリンクや水などの飲み物で補給する方が多いです。
ですが、熱中症対策として、必ずしもスポーツドリンクや水が適切で無い場合があるので注意が必要です。
脱水症状には、水分のみ不足する脱水症状、水分・塩分が不足する脱水症状の2種類があります。
また、スポーツドリンクはアミノ酸などの水分・塩分以外の成分も含まれていて、熱中症予防に適しいないこともあります。
そこで、夏の水分補給には、スポーツドリンク・水などの飲み物をどのように取るとよいか、ご紹介します。
夏の水分補給はスポーツドリンク・水?何がいいの?
人間の体には、水分が体重の半分以上を占めています。水分の割合は年齢とともに減っていきます。
子供は体重の80%、成人では60%、65歳以上の高齢者は50%程度と言われています。
また、体の水分には、塩分(ナトリウム)が入っており、血液を通して、体中の水分の調整を行っています。
ナトリウムが不足すると、水分調整がうまく行かなくなります。
水分・ナトリウムは、どちらかが汗などで不足すると、脱水症状になり、めまい・立ちくらみ・頭痛・熱中症などになります。
水分・ナトリウムが不足した状態を「脱水」といい、脱水が進むと「熱中症」になります。
熱中症は、早く対処しないと危険な状態になりますので注意が必要です。
特に大量に汗をかく夏は、定期的な水分補給をしたいです。ですが、何を飲むとよいかは、生活の場面に応じた飲み方が必要です。
<夏に水分補給によい飲み物・悪い飲み物>
- 日常の水分補給→水
日常の水分補給は、水で問題ありません。
普通の食事をしていれば、必要な塩分も取れているので、塩分を補給する必要はないです。
1日約1.2リットルくらい・1日8回を目安に、こまめに水を飲んで、補給します。
起床時・朝食・10時ごろ・昼食・15時ごろ・夕食・入浴前後・就寝前が水を飲む目安です。
コーヒー・お茶などは、利尿作用があるので、水分が不足することがあるので、飲む量は調整するとよいです。
また、普段の食事で、塩分を多く取ろうとするのはあまり良くないです。
普段の食事ですでに必要な塩分は取れているので、高血圧など生活習慣病に気をつけながら、塩分を取るようにします(1日目安 7グラム以下)
- 軽い運動・入浴・軽い発汗がある時→水・スポーツドリンク
軽い発汗がある場合は、水か、スポーツドリンクでナトリウムが入ってるものがおすすめです。
最低でも、ナトリウムが40mg/100ml以上入っているスポーツドリンクを選ぶようにするといいです。スポーツドリンクのナトリウム濃度- 大塚製薬・ポカリスエット :ナトリウム濃度 49mg/100ml
- コカ・コーラ・アクエリアス : ナトリウム濃度 40mg/100ml
- キリン・GreenDAKARA :ナトリウム濃度 40mg/100ml
- 明治・ヴァームウォーター :ナトリウム濃度 40mg/100ml
- 花王・トクホ ヘルシア ウォーター :ナトリウム濃度 33.6mg/100ml、カフェイン3mg/100ml
スポーツドリンクは、糖分が多くカロリーが高いので、飲み過ぎると肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まります。
ですので、熱中症対策としてスポーツドリンクを飲み過ぎないよう注意したいです。
また、塩分濃度が高いので、血圧が高い方は飲み過ぎないようにします。
カフェインが含まれている飲み物(コーヒー・紅茶・コーラなど)は、利尿作用があるので、飲み過ぎないようにします(目安:最大1リットルくらいまで)
一般的なジュースも水分補給になりますが、カロリーが高いので、飲み過ぎないようにします。
牛乳は体温を上げて、発汗を増やすため、できるだけ控えたほうがよいです。
アルコールは飲んだ分だけ、アルコール分解に水を必要とします。1リットル飲んだら、約1リットルの水が奪われるので、控えたほうがよいです。
- 炎天下で発汗がある時→経口補水液・スポーツドリンク
炎天下でのスポーツや仕事などは、大量の汗をかいて、水分・塩分が急速に不足することがあります。
すると、急性の脱水症・熱中症になります。
熱中症は、体内に水分がなくなると発汗できなくなるために、体温が上昇し、水分・塩分を補給しないと、どんどん体温が上昇して重症化します。
熱中症・脱水症になると、水だけを飲んでも、体調は改善されません。
塩分(ナトリウム)がないと、体内に水分補給ができないためです。
そこで、役立つのが「経口補水液」です。
経口補水液とは、水に塩と砂糖(ブドウ糖)を加えた飲み物で、体内の水に近い成分でできています。
熱中症の予防には、経口補水液を用意しておいて、脱水・熱中症の症状が出てきたら飲むようにします。
スポーツドリンクは、同じような成分が入っていますが、アミノ酸が入ってるため、体内への吸収が遅いので注意して下さい。
そのため、熱中症の時は、経口補水液を飲むようにするよう準備しておくとよいです。
経口補水液がなければ、スポーツドリンクを飲んでもよいかと思います。
経口補水液の飲み方は、一気に飲むことはせずに、少しずつ飲むようにします。少しずつ飲むことで体に成分がしっかり吸収され、熱中症を防ぐことができるのです。
脱水症状になっていない時に経口補水液を飲み過ぎると、糖分・塩分が多いため、血圧を上げるなどの作用があるので飲み過ぎは注意です。
経口補水液をちょっと飲んでみて「おいしい」と感じる時に飲むとよいです。「おいしい」と感じる時は、体が脱水気味になっています。
脱水症状かチェックする方法また、経口補水液の温度は、凍らせると成分が分離するので適度に冷やすか常温がよいですね。
外出時は、経口補水液は飲む必要はないので、非常用に携帯しておくとよいです。
熱中症を予防する飲み物・経口補水液とは?
経口補水液は、人間の体液に近い成分を持つ飲み物で、飲むとすぐに体内に入り、脱水症状を改善させます。
点滴とは成分が少し違いますが、「飲む点滴」と言ったイメージです。
経口補水液は、塩分とブドウ糖が体内で吸収しやすい比率で入っているため、吸収率が高いです。
経口補水液は、自作するか、コンビニ・ドラッグストアなどで購入することができます。
・大塚製薬:OS-1ドリンク/ゼリー(特別用途食品)
・明治:明治アクアサポート(一般食品)
・和光堂:アクアライトORS(一般食品)
・味の素:アクアソリタ(医薬品)
<経口補水液を自作する方法>
経口補水液を自宅で付くのは簡単です。
水1リットルに以下のものを入れます。
・砂糖:20~40g(砂糖よりも、ブドウ糖が好ましい)
・塩:3g
自作の経口補水液は、市販品より、体内吸収率は低いです。
ですが、簡単に作れて安上がりなので、暑い夏に出かける際に熱中症対策として作っておくと便利です。
熱中症を予防をする体を作るには?
熱中症の予防の基本は、3食しっかり食べて、しっかり寝るといった規則正しい生活です。
でも、夏は蒸し暑かったりして、睡眠が取れなかったり、食欲がなかったりします。
夏に熱中症や夏バテをしやすい方は、次のような対策を取るとよいです。
- 水分を貯める筋肉を付ける
人間の体で水分が多いところは、筋肉です。
筋肉量を増やすことで、熱中症・脱水症状になりづらくなります。
動物性・植物性のタンパク質を1:1の割合で食べ、運動をすることで筋肉がつきやすくなります。
- 自律神経を整える
自律神経が乱れていると、汗が上手にかけずに、悪い汗が出て、体調不良になりやすいです。
悪い汗は、ベトベトして、ニオイがする、汗の粒が大きい、といった特徴があります。
悪い汗は、体温調整が上手くできず、夏バテなどになりやすいので、注意して下さい。
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夏の暑さは、ジワジワと汗をかかせて、体中の水分だけでなく、ミネラルやビタミンも減らしていきます。
できるだけ、バランスの良い食事を取るようにして、体に栄養を補給してあげたいです。
もし、食欲がなければ、サプリメントなども利用して、体に栄養を与えて、夏の暑さに強い体を作るといいです。
特にビタミンCを毎日約300mg取ると、夏の暑さに強くなりやすいです。
まとめ
- 夏の水分補給は、場面によって水・スポーツドリンク・経口補水液で水分補給する
- 水分補給は、水だけではダメで、塩分(ナトリウム)も一緒に取るようにする
- 経口補水液は、熱中症時の緊急時に備えて準備しておくと便利