血圧の上と下の意味は?どちらが高い・低いと危ないか

血圧の上と下の意味は
血圧の上と下の値がどちらか高い・低くても健康に問題あるでしょうか?

高血圧の基準は、上の血圧が140mmHg以上、下は90mmHg以上です。

さらに「正常高血圧値」は、上の血圧が130~140mmHg未満、下の血圧が85~99mmHg未満です。

正常高血圧は、高血圧と正常の境界値で、高血圧予備軍とされます。

中高年になると、正常高血圧になる方もかなり多くなります。

血圧の上下値が基準値よりズレていると、心臓・血管はどのような状態なのでしょうか?

血圧の上下の意味を知っておくと、どのような病気に気をつけたほうがよいか分かってきます。

そこで、血圧の上・下の意味とどちらかの値が高い場合についてご紹介します。

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血圧の上と下の意味は?

まず「血圧」の意味は、血液が血管を押す圧力のことです。

血液の量が多くなったり、血管が収縮することで血圧が上がります。血液量が減ったり、血管が拡張すると、血圧が下がります。

次に、血圧の上と下の意味は、次のとおりです。

  • 上の血圧:収縮期血圧
    心臓が貯めた血液を動脈に送り出して、心臓が収縮(縮まっている)状態。
    血管には多くの血流が流れ込み、圧力が高くなっている。
  • 下の血圧:拡張期血圧
    心臓が血液を溜め込んで、心臓が拡張(広がっている)状態。
    血管には血液が少なく、圧力が低くなっている。

心臓はドックン・ドックンとポンプのように血液を全身に送り出しています。

このポンプ機能により、大きく膨らんだり、小さく縮んだりを繰り返しています。

心臓は肺で酸素を乗せた血液を、大動脈を通して、心臓内部に取り込みます。

心臓に血液を取り込むと、心臓は大きくなります。大動脈の血液量は約40%に減り、約60%の血液が心臓に流れ込んでいます。

この時を「拡張期」といい下の血圧になります。

そして、心臓に取り込んだ血液を送り出します。大動脈の血流量は約60%に増えて、心臓内の血液量は約40%に減ります。

この時を「収縮期」といい上の血圧となります。

心臓のポンプ機能が働いた時に、血液を大きく取り込んで大動脈の血液量が減った時が「下の血圧」、血液を送り出して大動脈の血液量が増えた時が「上の血圧」になるのです。

血圧が下だけ高い意味は?

血圧が下だけ高い・上の血圧は正常な場合は、高血圧・動脈硬化の予備軍であることが考えられます。

下の血圧は、心臓が血液を取り込んだ拡張期に、基準より血管に圧力がかかっていることを示しています。

下の血圧が高い原因としては、大動脈の血管が固くなり、血液の流れに抵抗性が出ていることが多いのです。

60歳以下で高血圧予備軍の方が、下の血圧だけ高くなりやすいです。

加齢で血管が固くなる(動脈硬化)と、徐々に高血圧になろうとしている状態になります。

肥満・喫煙・運動不足などで、徐々に上の血圧も高くなると、高血圧になるリスクが高くなるのです。

また、二次性高血圧という他の病気により、下の血圧が上昇している可能性があります。

血圧が気になる方は、他の検査値も含め、病気が隠れていないか、なるべく早く医師に相談した方がよいでしょう。

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ちなみに、下の血圧だけ高くても、「高血圧」と診断されます。

上・下の血圧はどちらが高くても、高血圧の対策(運動・食事など)をして頂きたいです。

血圧の上と下はどちらが高いと危ない?

血圧の上の下は、どちらかでも基準より高いと「高血圧」と診断され、どちらも危険性があります

上の血圧は、心臓の収縮期で血管に最も圧力がかかるポイントです。

そのため、上の血圧が高いと、血管が弱くなっていると血管の破裂等のリスクがあります。

下の血圧は、心臓の拡張期で血管に圧力が最もかからないポイントです。

ですが、ずっと血管に下の血圧がかかり続けるため、血管に負荷をかけ続けることになります。

さらに、血圧は体温・緊張・運動・睡眠などにより高くなったり、低くなったり常に変化しています。

ですので、血圧の上、下のどちらが高いと危険性があるとは言いづらいです。

上と下の血圧をなるべく抑えながら、多少血圧が高くなっても破れにくい強い血管にすることが大事です。

それには、動脈硬化を予防することが大事になります。

動脈硬化は、年齢とともに進行しますが、食べ物・運動などにより予防できます。

血圧と共に、強いしなやかな血管を目指して頂きたいです。

血圧の下だけ低くなる意味は?

血圧の下が下がってきた場合は、加齢による動脈硬化が原因と考えられます。

50~60代以上で、高血圧と診断され、治療・経過観察している時に、下の血圧だけ下がってくることがあります。

下の血圧が下がるのは、「血管が固さ」「心臓の働きの衰え」が影響しています。

血管が固くなる(動脈硬化)と、血液が流れづらくなり、心臓に取り込む血液量が減ります。

加齢により心臓が血液を取り込む力が弱まると、心臓に取り込む血液量が減ります。

血管の固さ・心臓の衰えにより、心臓の収縮期に取り込む血液量が減るため、血管への圧力も減ります。

そのため、高血圧でも、下の血圧が下がってくるのです。

下の血圧が下がってきた!と喜びたいところですが、動脈硬化が進んでいる可能性もあるので、引き続き高血圧対策・動脈硬化対策をして頂きたいです。

血圧の上と下の差の平均は?

血圧の上と下の差の値を「脈圧」と言います。

脈圧は、約50mmHg程度が適正とされます。

脈圧は大きくなると、動脈硬化などの血管の疾患リスクが高いです。

そのため、脈圧の変化にも注目したいです。

脈圧は年齢により変化は少ないとされるため、ご自分の昔の脈圧の変化を確認して見て頂きたいです。

血圧の単位 mmHgの意味は?

血圧の単位 mmHgの意味は、水銀血圧計の圧力の単位です。

「mmHg」の読み方は、正しくは「水銀柱・ミリメートル」と読みます。「Hg」とは水銀の化学記号です。

昔は水銀が入った「水銀血圧計」を使っていたなごりですね。

水銀は常温で液体の金属で、比重が高く(密度が高くて重い)圧力を計測するのに便利だったのです。

130mmHgは、水銀を130mm(13cm)押し上げる力があります。

水銀を水に置き換えると、比重が約13.6倍なので、130mmHgは水を約1.7mも押し上げる力があります。

血圧の力はかなりスゴイ強いんですね。

まとめ

  • 血圧の上と下の意味は、心臓の収縮期と拡張期の血管にかかる圧力のこと。
  • 血圧の下だけ高いのは、高血圧が進行中か、別の病気が関係している可能性がある
  • 血圧の上と下の差を脈圧といい、脈圧が大きくなると動脈硬化が進行している疑いがある

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