インフルエンザと風邪の見分け方は?初期症状の違い・治療法は?
毎年冬になると、風邪やインフルエンザが流行りますが、どう違うのかご存知でしょうか?
風邪もインフルエンザも咳・くしゃみ・発熱などが出るので、初期症状が似ているので見分け方が分かりづらいですよね。
風邪もインフルエンザもウイルス性の病気ですが、症状の違い・感染の強さで大きく違いがあります。
風邪の原因となるウイルスは、200種類以上の種類があり、初期症状は様々です。咳・くしゃみ・喉の痛み・発熱などが出ますが、普通は1週間程度で治ることが多いです。
インフルエンザは、風邪ウイルスの中の1つで、季節型のA型(香港・ソ連型)、B型・C型などがあります。最近はH1N1亜種型といった新型インフルエンザ、H5N1型、H7N9型などの鳥インフルエンザといった危険な種類のインフルエンザも発生しています。
インフルエンザは潜伏期間があり、突然に高熱が出ることや、飛沫感染により人に伝染りやすい特徴があります。
インフルエンザの病状は、子どもや高齢の方を中心に重篤な症状になることがあるので注意が必要です。
新型インフルエンザはワクチン・特効薬となる薬の開発がない場合は、パンデミックと言われる爆発的な感染にもつながる恐れがあるのでパニックにならないよう冷静に対処する必要があります。
そんな中、風邪と思っていたら、インフルエンザだった・・、風邪と診断されたけどインフルエンザでないか不安・・といった方も増えています。
風邪・インフルエンザの初期症状からの見分け方・感染させない方法などを知っておくだけでもかなり安心できます。
ここでは、インフルエンザと風邪の違い、初期症状の見分け方、治療の方法などについてご紹介します。
インフルエンザと風邪の見分け方は?
インフルエンザと風邪は、ウイルスが体の中に入って感染して、くしゃみ・喉の痛み・咳を伴います。
インフルエンザと風邪は、症状は一部似ていますが、インフルエンザは種類により強力な感染力があり、症状も重症化しやすいです。インフルエンザは重症化すると、苦しくて動けなくなったり、意識がもうろうとして倒れこんだりする危険性があります。
風邪は市販の風邪薬を飲んだり、休んでいると治ることがありますが、インフルエンザは放っておくと重症化することがあるので注意が必要です。
インフルエンザウイルスの種類によっては、抗インフルエンザ薬を飲まなくても治ることもありますが、症状の悪化を早く止めることや、他人への感染を防ぐ意味でも病院で受診をおすすめします。
インフルエンザの種類は、季節型インフルエンザと新型インフルエンザの2種類があります。
新型インフルエンザは、近年になって登場した新しいタイプのウイルスで、新型インフルエンザは抗体を持つ人がいないと爆発的な感染力で大流行になる注意したい病気です。
<インフルエンザと風邪の違い>
違い | 風邪 | 季節型インフルエンザ | 新型インフルエンザ |
---|---|---|---|
初期症状 | 比較的ゆっくり症状が出る | 急に発熱などが出る | 急に発熱などが出る |
発熱、咳、くしゃみ、鼻水、鼻づまり | 38度以上の発熱 咳・くしゃみ・鼻水・関節痛・頭痛・悪寒・鼻づまり・下痢・全身のだるさ、など | 38度以上の発熱 咳・くしゃみ・強い喉の痛み・関節痛・頭痛・悪寒・鼻水・鼻づまり・下痢、など | |
症状の場所 | 部分的 | 全身 | 全身 |
ウイルス潜伏期間 | およそ1~3日間 | 2~5日間 | 1~7日間 |
ウイルスの種類 | ライノウイルス、アデノウィルス、ロタウイルスなど | A型、B型、C型など | A型の亜種(H1N1型亜種)など |
感染力 | 弱い | やや強い | 強い |
感染しやすい人 | 全年齢(子供に多い) | 全年齢(乳幼児・高齢者が多い) | 子供~20代・30代が多い |
重症化しやすい人 | 免疫力低下している方、呼吸器疾患の方 | 乳幼児・高齢者・妊婦さん | 呼吸器疾患・心疾患など持病がある方、妊婦さん |
ワクチン | – | あり | タイプによる |
薬 | 特効薬はない 市販の風邪薬、病院の処方薬 | 抗インフルエンザ薬 | 抗インフルエンザ薬(病院の指示に従う) |
インフルエンザの初期症状と治し方
インフルエンザは、季節型と新型インフルエンザがありますが、初期症状は似ています。
初期症状は、ウイルス感染して数日~7日程度の潜伏期間の後、突然、38度以上の発熱が出て病気にかかったことが分かります。
高い熱が出て、悪寒・筋肉痛・腹痛・頭痛・鼻水・喉の痛み・咳、下痢など全身に症状が現れます。
インフルエンザの場合、症状が軽い場合を除けば、市販の風邪薬などを飲んでもほとんど効果はありません。早めに病院で受診することをおすすめします。
病院で抗インフルエンザ薬などの薬を処方してもらい、すぐに自宅で安静にしていることが大事です。
新型インフルエンザにかかった場合は、季節型インフルエンザよりも強い症状が出て、体調が悪化しやすいです。病院でその場でインフルエンザの種類を検査できるので、早めの病院での受診をするとよいです。
新型インフルエンザにかかったら入院するなど病院の指示に従うようにします。新型インフルエンザは、子供~若い方に感染しやすいですが、重症化しやすいのは子供・高齢者です。ウイルスの種類によっては、症状が重症化することもあるので、早めに病院に行くことが大事です。
また新型インフルエンザは感染力が強いため家族などに伝染りやすいです。学校・会社は休み、外出を控えてマスク着用をして周囲にうつさないように注意することも大事です。
週末や夜に受診したい時は、お近くの24時間・週末でも診てくれる病院に行くと良いです。救急医療指定の病院を調べていただければお近くの病院が分かると思います。
新型インフルエンザって何?
新型インフルエンザとは、現在までに人が感染していなかったタイプのインフルエンザ・ウイルスのことを指します。
ウイルスは、繁殖していく中でそれまでになかった遺伝子を持つタイプが生まれて、新しいタイプのウイルス誕生することがあります。
そのような新しいタイプのウイルスが人間に感染すると、ワクチンや薬などの準備が出来ていないため、大感染に繋がることに繋がるのです。
ほとんどのウイルスは、人間に伝染っても人間の体の中で生きていけないため、これまで人間の驚異にはなりませんでした。
ですが、最近になり新しいタイプのウイルスが人間に感染するケースが増えていて、新型インフルエンザの関心が高まっているのです。
また、インフルエンザ・ウイルスは、人間だけでなく鳥・豚などの動物にもあり、鳥インフルエンザ・豚インフルエンザのウイルスが存在します。
最近、鳥インフルエンザが人間に感染するケースが見つかっています。特に、渡り鳥は、国境など関係なく海を超えて移動することもあり、様々なウイルスが運ばれくるために、対策が後手後手に回ってしまうのです。
特に、H5N1型・H7N9型といったウイスルは「強毒型」といい、非常に毒性が高く、感染力が強いもので、注意が必要です。
インフルエンザは今後も新型が生まれてくる可能性が高いので、新型インフルエンザの情報などはできるだけ入手して対策をしておきたいです。
インフルエンザ・風邪を予防するには?
インフルエンザも風邪も予防の考えは同じです。
体が疲れているなど免疫力が低下している時に、風邪ウイルス・インフルエンザウイルスに感染しやすいです。また、電車の中など人が大勢いる場所で感染しないように対策することが大事です。
<インフルエンザ・風邪を予防する方法>
- 飛沫感染の予防
飛沫感染(ひまつ・かんせん)は、咳・くしゃみをした時に飛び散るツバ・鼻水から感染することです
咳・くしゃみは、約2メートルまでツバなどの飛沫が飛ぶと言われています。
そのため、サージカル・マスクを付けて予防しましょう。サージカル・マスクは、医療用のマスクでウイルスが口・鼻に入るのを防ぎます。ただ、自分が咳やくしゃみをする時は、マスクを通過して他人に伝染る可能性があると言われています。
そのため、マスクをしていても安心せず、咳・くしゃみをするときは、人に向けずに自分の腕で抑えます。手で抑えず、腕で抑えるのは、手に自分の飛沫がつかないようにするためです。
- 接触感染の予防
接触感染は、手などに付いたウイルスが食べ物を食べる時などに、口の中に入って感染することです。
外出先はもちろん、自宅でも、ドアの取っ手、トイレの便座、手で料理するときなどウイルスが付く可能性が高いです。
必ず食事前の手洗いはしっかりすることが大事です。外出先から帰ってきた時、トイレを出た後、料理をする前など手洗いをこまめにすることが大事です。
- 自己免疫力を上げる
疲れていたり体調不良だと、免疫力が低下してウイルスに感染しやすいです。免疫力が低下していると、インフルエンザだけでなく風邪にも引きやすくなります。
免疫力を上げるには、しっかりとした栄養を取ること、十分な睡眠をとる事が大事です。ダイエットで食事制限をしていたり、疲れているのに遊びに行くなど無理をしないことが大切です。
特に、体調を整え、免疫力を上げるには睡眠がなによりも重要です。疲れている時は早めに寝てしっかり休息を取りましょう。
もし、体調がすぐれないのでしたら、早めに病院に行って診察してもらうようにしていただきたいです。
まとめ
- インフルエンザと風邪は同じウイルス感染だが、インフルエンザは市販薬で治らないので早めに病院へ!
- インフルエンザの初期症状は「急に38度以上の発熱」するケースが多いので風邪と見分ける
- インフルエンザは、季節型と新型があり、新型は重症化しやすいため早めに病院での診察をする