痛風の検査方法は?何科の病院で受診?時間がどれくらいかかる?
痛風の検査は、発作時と健康診断で尿酸値が高い時で行く病院の科を変えたほうがいいです。
痛風の発作が起きて、ひどい痛みがある時は、まず痛みを止めることが先決です。
痛風発作中は痛みを取り除くことに集中し、本当の治療は、後で行ったほうがよいです。
一方、健康診断で尿酸値が高く、痛風のリスクが高い時や痛風の発作が起きていない時は、根本的な治療をしたほうがよいです。
そのため、痛風は、発作があってすでに体が痛い状態と健康診断でリスクを指摘された場合で、何科で検査・受診したほうがよいか、変わってきます。
総合病院なら一箇所で見てくれますが、小さな病院だと別病院に行く必要もあり、二度手間になります。
また、病院で治療してくれるまでに時間がかかってしまい、負担になるので気を付けたいです。
ここでは、痛風の検査方法と何科を受診すればよいのか、どれくらい時間がかかるのかご紹介します。
痛風の検査方法は?何科の病院で受診するとよい?
痛風の発作が起きて、痛みがある時は「整形外科」「内科のリウマチ科・腎臓内科」で受診するとよいです。
痛風の発作がなく、健康診断で尿酸値が高く、痛風のリスクが指摘された場合は、「内科・内分泌科」で受診するとよいです。
痛風発作が起きて、足の指・膝がすでに痛い場合は、早めに痛みを止めてもらうことが必要です。
また、起きている痛みが痛風かどうかの診断も必要です。痛風の痛みは、関節炎や偽痛風といった別の病気が関係していることもあります。
そのため、足の親指の付け根が痛いから痛風だ、という医師の判断なく決め付けは危険です。
健康診断で尿酸値が高く、痛風になるリスクが指摘された場合は、内科の内分泌科で尿酸値が高いこと以外に、合併症が起きていないか検査も必要です。
尿酸値が高いと、糖尿病・高血圧など生活習慣病になる可能性が高くなるので、痛風と合わせて検査をして頂きたいです。
痛風でない場合は、治療方法が変わってくるので、検査をシッカリやることが大事です。
<痛風の検査方法>
- 血液検査:尿素窒素(BUN)、クレアチニン
痛風の検査では、血液検査で尿素窒素(BUN)、クレアチニン値を調べます。
尿素窒素(BUN)、クレアチニンは、代謝した時の老廃物で、通常は尿として排出されます。尿酸値が高い状態が続くと、腎臓のろ過機能が低下して、血液中に老廃物がたまってしまうのです。
タンパク質が分解されると有毒なアンモニアが発生し、肝臓がアンモニアを分解してできるのが、無毒な尿酸になります。血液中にある尿素の量は尿素窒素(Blood urea nitrogen:BUN)を調べることで分かります。
クレアチニンは、筋肉のエネルギー源となるクレアチニン酸の代謝物です。筋肉でクレアチニン酸が代謝されると、尿として排出されます。血液中のクレアチニン値は、尿をろ過する腎臓が正しく働いているか調べる検査項目として使われます。
尿素窒素、クレアチニン値は、痛風だけでなく腎臓の疾患に関して調査する項目であり、慢性腎炎など合併症がないか検査することが大事です。
- 尿検査(タンパク・pH・潜血)
尿検査では、尿タンパク、pH、潜血などを検査します。
尿がアルカリ性になっていると尿酸が結晶を作りやすい、痛風になりやすい状態です。健康ですと尿は弱酸性ですが、尿がアルカリ性になっていると結石ができやすく、腎結石・尿路結石などの尿酸結石が出来ている疑いがあります。
精密検査では、尿にどれだけクレアチニンなどの老廃物が出ているか検査します。
尿の中にどれくらい尿酸が出ているか検査する「尿中尿酸排泄量検査」を行います。
また、尿酸の排泄能力を検査するために「尿酸クリアランス検査」を行います。
尿中尿酸排泄量と尿酸クリアランス検査を行うことで、体の尿酸排出がどこで上手く行っていないか体質を調べることができます。尿酸の生産が過剰か、尿酸の排出が低下しているか、体の異常がどこにあるか検査で分かります。 - 痛みがある場所のX線検査
関節に痛みがある場合は、関節の骨が変形をしていないかX線で検査します。
痛風発作が起きていると、関節が腫れていて、骨のゆがみが生じていることがあります。
また、痛風と間違えやすい病気で、偽通風(ぎ・つうふう)・関節リウマチ・変形性関節炎・外反母趾・化膿性関節炎といった関節・骨の病気があります。
X線で患部を検査することで、痛風による痛みか、他の関節炎による痛みかどうか判別ができます。
関節の骨がゆがむと、歩行などに問題が起きることがあるので、早めに関節の異常を確認します。
関節が腫れている場合は、尿酸値を下げながら関節の腫れを改善するようにしていきます。
痛風の診断基準は難しい?
痛風の診断基準は、痛風の原因になる「尿酸ナトリウム結晶」が患部に存在するかで判断することが確実とされています。
ですが、実際に、痛風で足が激痛の時に、注射で患部の関節などから尿酸ナトリウム結晶があるかを検査するのは実際には行われません。(激痛の上に注射は痛いですから・・)
そのため、実際の痛風の診断では、尿酸ナトリウム結晶の検査ではなく、痛みの症状などから判断することが多いです。
以下の項目に6項目以上当てはまると痛風と診断します。
- 過去に2回以上痛風発作が起きている
- 24時間以内に炎症がピークになっている
- 痛みの症状は1箇所だけ
- 関節が赤く腫れている
- 足の親指の付け根に痛み・腫れがある
- 片側の足の親指の付け根に症状が出ている
- 片側の足首に症状が出ている
- 痛風結節(関節でない場所に尿酸結晶がたまって腫れている)がある
- 尿酸値が7.0mg/ml以上で尿酸値が高い
- X線検査で、片側のみ関節の腫れがある
- 約2週間程度で痛風発作・痛みがなくなる
痛風は発作が起きて激痛がある時は、検査どころでないですよね。
ですので、まずは痛みを止めてから、しっかり検査することが大事です。
また、痛風発作の危険性が高い時は、早めに検査をして、尿酸値を低めにする、尿酸結晶ができづらい生活習慣にするなどの対策が必要です。
痛風の検査にかかる時間は?
痛風の検査にかかる時間は、4時間・半日以上はかかると思っていいです。
痛風発作ですでにに痛い時は、検査は簡易的な検査をして数時間程度で終わりです。鎮痛剤などで、痛みをなくします。精密な検査は痛風の痛みが改善してから改めて行います。
精密検査で痛風を調べるには、問診・触診・血液検査・X線・尿検査などがあり、かなり時間がかかります。
痛風の尿検査は「尿酸クリアランス検査」を行う事が多いです。尿酸クリアランス検査は、2時間程度かかります。血液を採尿とを1時間前と後で比較する検査をします。
痛風の検査はお仕事などで忙しいと、ついつい後回しにしてしまいがちですが、時間を作って検査をするようにして頂きたいです。
痛風は足・関節の痛みだけでなく、生活習慣病との合併症が問題なることが多いです。
尿酸値が高いまま放置していると、高血圧・糖尿病・腎臓病などが、重篤な病気に進展している可能性もあります。
最近は、痛風外来で専門に痛風を診てもらう病院もあり、夜も遅くまでやっているところがあります。
会社を休まなくても、時間に都合をつけて早めに検査をして頂きたいです。
まとめ
- 痛風の検査方法は、血液検査・尿検査・X線検査を行う
- 確実な痛風の診断基準は痛みのある幹部から直接尿酸結晶を取らないと分からない
- 高尿酸値の状態を放置していると、合併症のリスクが高くなるので、時間を作って早めの検査を。