レビー小体型認知症は進行速度が早い?初期症状から末期症状は

レビー小体型認知症の進行速度
レビー小体型認知症の進行速度は早いとされています。

認知症というと「アルツハイマー」を思い浮かべる方が多いかもしれません。

ですが、認知症の原因は100以上も様々なものがあります。

その中でもレビー小体型認知症は、約20%を占めており、患者数は増加傾向にあります。

レビー小体型認知症の初期症状は、分かりづらく、治療が遅れることが多いです。

アルツハイマーは女性が多いのに対して、レビー小体型認知症は男性に多いのが特徴です。

そこで、レビー小体型認知症の進行速度・初期症状~末期症状までの進行具合についてご紹介します。

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レビー小体型認知症は進行速度が早い?

レビー小体型認知症は、進行速度が早く、発症から約8年位で末期症状が見れらます。

アルツハイマーは、アミロイドβ・タウ蛋白といった物質が脳に蓄積するに約10年~20年程度かかるとされます。

ですが、レビー小体型認知症の原因は「レビー小体」という異常なタンパク質が蓄積していきます。

レビー小体は、大脳皮質の「後頭葉」「前頭葉」に蓄積し、脳神経が萎縮していきます。

後頭葉は、視覚を司る働きがあります。前頭葉は、運動能力・知覚機能があります。

そのため、レビー小体型は視覚・運動能力・知覚機能が低下します。

ですので、レビー小体型認知症の初期症状は、物忘れなどがなく、視覚・知覚に異常が現れるようになります。

初期症状は、記憶に障害が出づらいので、認知症の診断・治療が遅れがちになります。

レビー小体型認知症の診断には、脳血流の低下を確認するPETなどの検査機器が必要になることが多いです。

レビー小体型認知症の症状の進行具合は?

初期症状

レビー小体型認知症の初期症状は、幻視・パーキンソン症状などがあります。

脳の後頭葉・前頭葉が萎縮していくと、視覚・知覚機能に障害が発症するのです。

  • 幻視(げんし)

    幻視とは、その場にない物が見えるようになることです。

    幻視は、患者さんはハッキリと見えています。

    子供がいる、虫がカベに沢山いる、といった具体的な物・人が見えるようになります。

    誰かから攻撃される恐怖を感じることで、「怖い」「助けて欲しい」と言うことがあります。

    また、カベの模様・影などが人の顔などに見えることがあり、恐怖を訴えることもあります。

  • パーキンソン症状

    パーキンソン症状は、パーキンソン病で発症する「手足のこわばり」です。

    手足のこわばりで、手・足が震えたり、真っ直ぐ立つことが難しくなり、前かがみになります。

    顔の表情が出せずに無表情になることもあります。

    レビー小体型認知症の方は、はじめにパーキンソン症状を訴えることがあり、パーキンソン病を疑うことが多いです。

    初期症状で、パーキンソン症状があるときは、レビー小体型認知症についても検査することが大事です。

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  • 不安・抑うつなど

    後頭葉・前頭葉の萎縮の影響で、自律神経失調になりやすくなります。

    自律神経失調により、不眠・不安などで、抑うつ症状などが出ます。

    睡眠不足が続くと、抑うつ状態になりやすく、うつ病と診断されることもあります。

  • 物忘れ

    レビー小体型認知症の特徴として、初期症状に「物忘れ」がでないことがあります。

    初期症状は幻視・パーキンソン症状などが出ることが多いため、認知症と気付きにくいです。

    物忘れがないために、レビー小体型認知症の診断が遅れる原因になりがちです。

    パーキンソン症状がある時は、認知症検査も行うようにして頂きたいです。

    物忘れは、病変により個人差があります。

中等度症状

  • せん妄(せんもう)

    せん妄とは、意識障害で半分寝ていて半分覚醒している状態のことです。

    せん妄状態では、会話が出来ますが、患者さんは覚えていません。

    半覚醒状態で、歩きまわるため、転倒・事故などの危険性があります。

    夕方から夜にかけて起きやすく、夜に歩き回る「徘徊」につながりやすいです。

  • レム睡眠行動障害

    レム睡眠行動障害は、寝ている時に大声で話したり、手足をバタバタしたりする行動障害です。

    睡眠時の「レム睡眠」は脳が活動していて筋肉は休んでいる状態です。

    ですが、レム睡眠行動障害になると、何かしらの原因で筋肉も動いてしまいます。

    そのため、寝ている時に、突然布団で暴れたり、大声を出すなどの行動が出てしまいます。

    健康な方でも寝ぼけて寝言を話したりしますが、レム睡眠行動障害は覚醒時のような大きな行動を取るのが特徴です。

    起きた時は、本人は覚えていません。

後期・末期症状

レビー小体型認知症の後期・末期症状は、認知機能が低下します。

認知機能は、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、悪化していきます。

  • 幻視・せん妄

    初期症状からせん妄はあっても、後期になると、不安・恐怖の気持ちは後退します。

    そのため、幻視を見ても、話しかけたり見ていたりします。

    外から見ていると、独り言を言っているように見えます。

    また、せん妄状態でも独り言を言うように見えます。

  • 歩行困難・転倒

    パーキンソン症状により、歩くことが困難になります。

    足が上手く使えなくなり、寝たきりになることがあります。

    パーキンソン症状は医師と相談して、転倒対策・介助について話し合っておくとよいです。

  • 認知機能障害

    レビー小体型認知症は、徐々に認知機能が低下していきます。

    認知機能は調子が良いときと悪い時があり、繰り返しながら悪くなっていきます。

レビー小体型認知症は、パーキンソン病と似ているため初期症状から診断が難しいです。

幻視・パーキンソン症状かも?と思ったら、早めに病院での診断をおすすめします。

パーキンソン症状・せん妄など、動き回ることで転倒して怪我をすることがあるので注意したいです。

まとめ

  • レビー小体型認知症の進行速度は~約8年とアルツハイマーと比べて早い
  • 初期症状は、幻視・パーキンソン症状などで、物忘れがないこともある
  • レビー小体型認知症の特徴的な症状は、せん妄・レム睡眠行動障害などがある

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