尿酸値が高いと病気になる?プリン体との関係・下げる食べ物

尿酸値 高い 病気

尿酸値が高いとどのような病気・症状になるのでしょうか?

尿酸値が高くても自覚症状はほとんどなく、自覚症状がある時はかなりの高尿酸値になっています。

そのため、多くの方は健康診断で尿酸値が高いと言われることが多いかと思います。

では、尿酸値が高いと体にどういう病気になるのでしょうか。

尿酸は、食べ物や体で作られるプリン体が肝臓で分解された物質です。

尿酸は、プリン体が分解された後、尿となって排出されます。ですが、尿酸が体から上手く排出されないと、血中の尿酸値が高くなります。

血中の尿酸値が高くなると、尿酸を排出する腎臓への負担や、生活習慣病の合併症に発展する可能性があります。

そこで、尿酸値が高いと何の病気になるか、プリン体との関係、尿酸値を下げる食べものについてご紹介します。


尿酸値が高いと何の病気になる?

尿酸値が高いと、血中に尿酸が多くなり、次のような病気になるリスクが高くなります。

<尿酸値が高いとなりやすい病気>

  • 慢性腎臓病・腎不全

    尿酸値が高くなると、体はできるだけ尿酸を減らそうと、腎臓から尿と一緒に尿酸を排出しようとします。

    慢性腎臓病・腎不全

    腎臓は、血液をろ過して老廃物・有害物資のみを尿として排出する働きがあります。また、血中のナトリウム・カリウムの量から体内で過剰となる水分を排出する働きがあります。

    尿酸値が高くなると、腎臓からできるだけ尿として尿酸を排出させるため、腎臓に負担がかかるようになります。

    特に、腎臓でろ過をする「糸球体」に負担がかかり、うまく濾過機能が働かなくなります。

    すると腎臓は、尿を排出する本来の機能が低下して、慢性腎臓病(CKD)となります。慢性腎臓病が進むと、尿が上手く出せなくなり「人工透析」が必要になることがあります。

    人工透析とは、血液の有害物質・老廃物を人工的にろ過して、血液を体に戻す治療法です。人工透析が必要になると、日常生活に不便が出てきますので注意したいです。

    腎不全は、腎臓が機能停止をしてしまい、有毒な物質が体中に周り「尿毒症(にょうどく・しょう)」になります。尿毒症はかなり危険な病気なので、早めの診断・治療をしておきたいです。

    腎臓病の自覚症状はかなり悪化するまでないですが、尿酸値が高くなるに連れて、血尿、蛋白尿、血圧上昇、むくみ、疲労感、吐き気などが起きます。

    腎臓は、我慢強い臓器と言われており、機能が弱っても痛みなどの自覚症状が起きづらいです。そのため、腎臓の病気は、発見が遅れがちになります。そのため、尿酸値の基準値7.0mg/dl以上にならないよう治療・対策をしていただきたいです。

  • 尿路結石

    尿酸値が高いと、尿が酸性になりやすくなり、カルシウムなどが結晶化します。結晶化したものが大きくなると、腎臓や尿管、膀胱に「結石」になります。

    尿路結石

    結石は、腎臓に作られると自覚症状はありませんが、尿管・膀胱に流れてくると、急激な痛みを感じます。

    結石の成分は、シュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウムアンモニウムなどがあります。

    およそ直径1センチ以下の結石ならば、尿管を通り尿として排出されますが、それ以上大きくなると尿管などで詰まりやすいです。

    結石がある場所によって、尿管結石、腎結石、腎盂結石、膀胱結石、尿道結石などと呼ばれます。

    尿路結石は、尿がアルカリ性になるよう(酸性にならないよう)に、水分補給や食事を気をつける事が大事です。

  • 痛風(つうふう)
    痛風 痛み
    痛風は、尿酸値が高い状態のまま生活していると、腎臓でろ過できなかった尿酸ナトリウムなどが、尿酸結晶となって血液を通じて関節に溜まっていきます。

    関節に溜まった尿酸結晶は、そのままでは無痛です。ですが、関節組織から関節液にあふれると、免疫細胞が尿酸結晶を異物とみなし、撃退しようとしますが、人間の免疫細胞は尿酸を分解できないため、炎症を起こして激痛が襲います。(痛風発作)

    痛風になりやすい場所は次のところです。

    <痛風になりやすい場所>

    • 足の親指の付け根(全体の約70%の方が、痛風で初めに起きやすい場所)
    • 足の甲
    • くるぶし
    • かかと
    • 手首
    • ひじ、肩など

    痛風は、尿酸値が高い状態でも2~10年くらいは「無痛」です。

    ですが、関節に溜まった尿酸結晶が関節液に漏れだすと、痛風発作が起きるようになります。

    痛風で痛くなる場所は、約90%が「膝より下の部位」で、約70%が「足の親指の付け根」が痛むとされています。

    そして、痛風発作が起きてもしばらくすると改善するといった状態が続き、最終的には、頻繁に痛風が起きる状態になります(痛風結節)。

    痛風結節が起きる時は、かなり危険な状態なので、早めに痛風改善のための対策・治療をしていただきたいです。

  • 生活習慣病の合併症

    高尿酸値が続いていると、生活習慣病の合併症が起きやすくなります。

    糖尿病予備群とされる「耐糖能異常」の方は、血中のインスリンが高い状態になり、腎機能が低下し、尿酸が高くなる傾向にあります。高尿酸値は、糖尿病とも関係があるとも言えるので、注意していただきたいです。

    尿酸値が高いと、腎機能が低下して、ナトリウムの排出ができなくなります。すると、血中のナトリウム濃度が高まります。心臓はナトリウム濃度を減らすために血液を多く送るようになるため、血圧が上昇します。(体中に塩分が多くなると高血圧になる原理と同じです)

    <主な合併症>

    • 糖尿病
    • 高血圧
    • 脂質異常症(高脂血症)
    • 動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞など)

尿酸値とプリン体との関係は?

痛風予防はプリン体を控えるべきとありますが、尿酸値とプリン体の関係はどのようなものでしょうか。

プリン体は、体の細胞の代謝に不可欠なものです。プリン体を肝臓で分解したものが、尿酸になります。

ですので食べ物からは「プリン体ゼロ」にすることはできないのです。

プリン体は、2つのルートから体に入ってきます。

体内のプリン体の割合

1つは、食べ物からプリン体をケースです。食べ物から作られるプリン体は、体内全体の約20%です

もう1つは、体の細胞が新陳代謝する時に、排出され体内で作られるプリン体です。体内で生成されるプリン体は、全体の約80%です。

そのため、プリン体が少ない食べ物を食べても、体に分泌されるプリン体の総量はあまり変わりません。といっても全体の20%は食べ物から入ってくるので、プリン体の多い食べ物を控えるのも大事です。

尿酸値を下げるには、プリン体の多い食べ物を減らす他、水分補給、カロリーの制限、尿をアルカリ性にする食べ物を食べることも大事です。


尿酸値を下げる・プリン体が多い食べ物は

尿酸値を下げるには、プリン体が多い食べ物などの普段の食生活の改善が大事です。

<尿酸値を下げる食べ物とは?>

  • プリン体が多い食べ物→少ない食べ物を食べる

    普段の食生活からプリン体が多い食べ物を減らして、プリン体が少ない食べ物を取るように気を遣うとよいです。

    ・プリン体が多い食べ物:鳥・牛・豚レバー、あんこう、カツオ、肉・魚から取ったスープ(ラーメン・鍋)、など

    ・プリン体が少ない食べ物:野菜類、豆腐、牛乳、海藻類、など

    食べ物から取り込まれるプリン体は、体内のプリン体の約20%ですが、プリン体を多く含む食べ物は避けておいたほうがいいです。

  • 尿をアルカリ性にする食べ物を取る

    尿酸値が高いと尿が酸性になり、結石ができやすくなり、痛風のリスクを高めます。

    そこで、尿を酸性にする食品を控えて、アルカリ性にする食品を取るようにします。

    ・尿を酸性にする食品:卵、豚肉、牛肉、サバ、カツオ、など

    ・尿をアルカリ性にする食品:海藻類、野菜類、大豆、しいたけ、など

  • 適度な水分補給

    高尿酸値の場合、尿で水分を排出しないと、血中の尿酸値が高くなります。

    そのため、水分を適度に取り、尿酸を排出させます。

    水分は、一度に沢山ではなく、こまめに取るようにします。1回は150ml程度。

    1日平均1.5リットル~2リットル取るようにします。(多すぎる方は適宜調整してください)

    水分は、「ミネラルウォーター」「水」で水分補給をします。(お茶でもOK)

    甘いジュース、清涼飲料水、アルコール類、は糖分などが含まれており、水分補給にならないので、気をつけていただきたいです。

高尿酸値は、自覚症状がないので、最初は甘く見がちです。

ですが、高尿酸値の状態が続くと、腎臓を始め、体を蝕んでいくので、早めに対策をすることが大事です。

まとめ

  • 尿酸値が高いと、慢性腎臓病、尿路結石、痛風、生活習慣病の合併症の病気になるリスクがある
  • 尿酸は、プリン体を分解したもので、食べ物からは20%、体の代謝によるものが80%作られる
  • 尿酸値が高い時は、プリン体が多い食べ物を避ける・尿をアルカリ性にする食べ物を食べる、適度な水分補給が需要


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