認知症とうつ病の違いは?高齢者に多い症状と併発による対応は

認知症とうつ病の違いは?
認知症とうつ病は違いがあり、どこで治療したらよいか分からない事があります。

認知症もうつ病も「意欲がなくなる」「記憶がなくなる」といった似ている症状があります。

高齢者になると「老人性うつ病」といわれる、うつ状態になることもあり認知症との違いを判断することが大事です。

認知症とうつ病は、対処や処方薬が異なり、誤って飲むと、認知症・うつ病が進行してしまうことがあるので注意が必要です。

また認知症の症状に戸惑い、抑うつの症状が出ることもあり、認知症の併発も懸念されます。

そこで、高齢者の認知症とうつ病の違い、合併・併発時の症状についてご紹介します。

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認知症とうつ病の違いは?高齢者に多い症状は

認知症とうつ病の違いは、次のような違いがあります。

症状認知症うつ病
病気の進行ゆっくり(年単位)急に発症する
気分・感情怒りっぽい悲哀感・空虚感、日内変動する
記憶障害最近の記憶がない最近も古い記憶もないことがある
自己評価自分の機能低下を隠す自分を否定的に評価
考え方自分が悪いと考える他人のせいと考える

認知症とうつ病の見分け方として、うつ病は、気分・感情が日内変動する、悲哀・空虚感を感じていることがあります。

認知症の場合、怒りっぽくなり、他人に攻撃的になること、気分・感情の変動が少ないです。

意欲の低下や、記憶障害は、認知症・うつ病も同じ症状がでることがあります。

記憶障害については、認知症の場合は最近の記憶がなく、新しいことを覚えられないことが特徴です。

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認知症とうつ病の判断が難しいなら認知症の検査を

認知症の場合、脳のどの場所に障害が起きているかで、症状が変わってきます。

認知症の原因は、様々あるため、まずは認知症の検査をするとよいです。

<認知症の検査項目>

  • 口頭質問(MMSE:ミニメンタルステート検査)

    医師により簡単な記憶力・言語力などを問う質問を口頭でします。

    「年齢はいくつか?」「100から7を引いていく」などの問題を回答します。

    それほど難しくない問題で、簡易的に認知症の疑いがあるかをチェックできます。

  • 血液検査

    血液検査は、認知症の原因になりやすいインスリン抵抗性などを確認します。

    血中の甲状腺ホルモン、ビタミンB12なども検査をして、認知症の原因を調べます。

  • 脳骨髄液検査

    脳骨髄液を採取することで、アルツハイマーの原因と言われるアミロイドβ・タウたんぱくなどの物質を確認します。

    脳骨髄液の採取は、局部麻酔で腰椎に注射をするため、患者さんへの負担が高いです。

    ですが、脳骨髄液から認知症の原因物質を採取できれば認知症の診断に役立ちます。

  • MRI/CT

    MRI(磁気共鳴画像)やCT(コンピュータ断層撮影)により、脳が萎縮していないかどうかを画像で検査します。

    認知症の初期では、MRIだけでは脳の萎縮がハッキリわからないことがあります。

  • SPECT/PET

    SPECT(スペクト撮影法)、PET(ペット撮影法)は、薬剤を注射して、脳の血流低下がないか、検査します。

    SPECT/PETは、MRI/CTより脳の血流をチェックできるので、初期診断がしやすいです。

認知症で併発するうつ病の対応は

認知症から併発してうつ病になるケースがあります。

認知症のタイプにより、症状が異なってきます。

うつ病の発症は、個人の性格や習慣・環境により、周辺症状・随伴症状(ずいはん・しょうじょう)とされています。

アルツハイマー型

アルツハイマーの初期症状ともに、意欲低下、不安、睡眠障害などが現れます。

気分が落ち込み、何もする気が起きなくなります。テレビや本なども意味が分からなくなり、見ないようになってぼーっとするようになります。

性格も変わっていき、イライラしていて、怒りっぽく他人に攻撃的になることがあります。

不安になり、眠れなくなり睡眠障害になることもあります。

レビー小体型

レビー小体型は、強い抑うつ症が起きることが多いです。

「幻視(見ていないものを見る)」などで不安を感じるようになります。また、自律神経失調にもなりやすく、体調が悪くなります。

そのため、できるだけ安心できるよう接することが大事です。

脳血管性認知症

脳血管性認知症は、脳梗塞・脳出血などの脳血管障害の後遺症で発症します。

脳血管の障害で、日によって状態が良かったり悪かったりします。

そのため、日によって認知症の状態も良くなったり、悪くなったりします。

認知症の状態が悪い時は、急性の脳血管障害が起きることで、意識障害などで混乱することがあります。

意識障害によりぼんやりしてしまうことを「せん妄(せんもう)」といいます。

せん妄は、錯覚・幻覚・妄想などで興奮状態になることがあります。夜にせん妄になることも多いです(夜間せん妄)。

せん妄は、うつ病の症状と似ているため、判断が難しいことがあります。

脳梗塞などの脳卒中の発病がある方は、専門医に相談して頂きたいです。

まとめ

  • 認知症とうつ病の違いは、気分・感情が変動するか、悲哀感・虚無感がないか
  • 認知症・うつ病の疑いがあれば、まずは認知症の検査を受ける
  • 認知症の併発で、うつ病になることがあるので、認知症のタイプにより対応・治療する

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