治るタイプの認知症は?手術・投薬で治療可能な病気とは

治る認知症のタイプは?
認知症でも治るタイプと治りにくいタイプがあります。

認知症というと、アルツハイマーなど治らない・治りにくいと思いがちです。

ですが、認知機能障害の方の約10%程度は、認知症が治るタイプなのです。

手術や投薬で治療可能な認知症なのです。

そのため、認知症かもしれない、と思って病院の診断を遅らせると、治療が遅れて治るのに時間がかかることがあります。

そこで、認知症で治るタイプの認知症と間違いやすい病気についてご紹介します。

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治るタイプの認知症は?手術・投薬で治療可能な病気とは

治るタイプの認知症は、正確には別の病気で、認知症と似ている症状が出ていることがあります。

アルツハイマー型や血管性認知症と思っていたら、別の病気だった、ということです。

ただ、別の病気でも早期の治療が必要な場合がありますので、早めに診断・治療が必要です。

<治るタイプの認知症・似ている病気は?>

  • 慢性硬膜下血腫(まんせい・こうまくか・けっしゅ)

    慢性硬膜下血腫は、転倒するなどして頭蓋骨の「硬膜」(こうまく)の内側に内出血を起こし、血の塊(血腫)が脳を圧迫する病気です。

    高齢になると「慢性硬膜下血腫」は割と起こりやすい病気です。

    特に、硬膜に血腫がたまるのに、3週間~2ヶ月くらいかかることがあります。

    ですので、頭を打撲した直後は、気にならないこともあります。数ヶ月経ってから、元気がなくなったり、認知症のような異常が出てきます。

    そのため、認知症と疑われやすいのです。

    転んだり、滑ったりして頭をぶつけて、しばらくしてから、急におとなしくなったり、上手く歩けなくなった、などの症状も出ることがあります。

    慢性硬膜下血腫は、CT・MRI画像で確認できます。血腫を取り除く手術をすることで改善します。

    頭蓋骨を打撲した時は、検査してみてくださいね。

  • 甲状腺機能低下(こうじょうせん・きのう・ていか)

    甲状腺機能低下は、体の細胞の代謝を促す「甲状腺ホルモン」の分泌が低下する病気です。

    甲状腺ホルモンが低下すると、疲労感・無気力などの症状が出るようになります。

    その中で、「記憶力の低下」「やる気の低下」などが認知症の症状と似ています。

    中高年の方は、疲労感や記憶力の低下などが、老化・認知症などと感じやすいようです。

    ただ、甲状腺機能低下で認知症の症状がでることは、まれで、アルツハイマー型・血管性認知症が隠れていることもあります。

    そこで、甲状腺機能低下を治療すると、認知症の症状は改善する傾向があります。

    ですが、認知症のリスクもあるため、認知症の検査・予防はしておいたほうがいいです。

  • ビタミンB12欠乏症

    ビタミンB12が不足すると、手足のしびれ・見当識障害(日時場所が分からなくなる)・記憶色低下・注意力低下が起こります。

    野菜にビタミンB12が多くあると思いがちですが、野菜にはビタミンB12はほぼないです。

    ビタミンB12は、乳製品・肉類・卵などに多く含まれています。

    そのため、野菜ばかり食べている方は、ビタミンB12の摂取に注意をして頂きたいです。

    ビタミンB12欠乏症は、徐々に見当識障害、記憶力の低下が見られるため、認知症と勘違いされやすいです。

    治療方法は、ビタミン補充療法や、ビタミンB12のサプリや食品で補給すれば改善します。

  • 突発性 正常圧水頭症(とっぱつせい・せいじょうあつ・すいとうしょう)

    突発性正常圧水頭症は、脳室で作られる脳脊髄液(のう・せきづい・えき)が、脳内にたまりすぎる病気です。

    突発性正常圧水頭症の症状は、物忘れ・歩行障害・尿失禁が起きやすくなります。

    急に記憶力が低下して、素早く考えがまとまらず、ゆっくりとした動作になります。

    また、足を左右に広げて足をするように歩いて、転倒しやすくなります。

    症状は比較的ゆっくり進行しますが、記憶力の低下が認知症と間違われやすいです。

    突発性正常圧水頭症は、外科手術で脳骨髄液を抜き取ることで治療可能です。

    ただ、突発性正常圧水頭症の裏に認知症が隠れていることあります。

    認知症のリスクについても診断・予防することも大事です。

  • 薬の副作用の可能性

    たくさんの薬を飲んでいると、副作用で認知症に似た症状が出ることがあります。

    複数の病院から、様々な薬を処方されて飲んでいると、薬の副作用で記憶力の低下、注意力低下などの副作用が出る可能性があります。

    気になる方は、主治医の先生に、全ての薬を全部見てもらい、合う・合わないかをチェックしてもらうことをオススメします。

認知症に似た症状が出ると、認知症かもしれないと心配になるかと思います。

まずは、主治医か、認知症の専門医に相談して頂きたいです。

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治るタイプの認知症は何科にいけばいい?

認知症の疑いがあれば、まず認知症専門医に診てもらうとよいです。

手術や投薬で治るかどうかは、MRI・血液検査などの検査結果で決まります。

ですので、まずは認知症専門医に相談して頂きたいです。

  • 脳神経科・脳神経外科・老年科など
    MRI・血液検査ができる設備がある病院で診察を受ける
  • かかりつけ医+認知症サポート医
    認知症治療のサポートを受けている、かかりつけ医であれば、厚労省が定める「認知症サポート医」から支援を受けられます。
    大きな病院が苦手な方は、いつも見てもらっている、かかりつけ医に相談するといいです。
  • 物忘れ外来
    認知症を専門にする「物忘れ外来」で診断することも出来ます。
  • 認知症専門医
    厚労省が認定した「認知症専門医」のいる病院で診断すると安心です。
  • 地域包括支援センター・認知症コールセンターに電話相談
    どうしていいか分からない時は、電話で相談すると良いです。
    地域包括支援センター、認知症コールセンターは、地域の市区町村の自治体で確認できます。

認知症の病院に行くときは、これまでの症状などをメモにまとめておくとよいです。

いつ・どこで・誰と・何をしたのか?を忘れないように記録します。

医師はその情報を元に診断するので、できるだけ具体的にメモでまとめておきたいです。

認知症には治るタイプがあるので、早期の検査・治療をして頂きたいです。

まとめ

  • 治る認知症のタイプは、慢性硬膜下血腫・甲状腺機能低下・突発性正常圧水頭症・ビタミンB12欠乏症がある
  • 慢性硬膜下血腫・突発性正常圧水頭症は手術で治療可能、ビタミンB12欠乏症は投薬で治療可能
  • 治る認知症のタイプの裏には、認知症が進行していることもあるので、認知症の検査をすることが大事

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