甲状腺の検査 数値の基準値は?機能亢進症・機能低下の症状とは

甲状腺 検査

甲状腺の病気は日本で500万人以上といるされ増えています。

甲状腺の病気は、女性に多く、推定で女性 260万人・男性 100万人が毎年なっていると言われている20人に1人がかかる国民病になりつつあります。

特に女性の60歳以上の方は、全体の17%にもなり、橋本病・バセドウ病などの羅漢率が多いです。

甲状腺疾患の方が増えている原因として、高齢化や検査技術が進んだため見落とされていた甲状腺疾患が見つかるようになったことがあります。

甲状腺から出るホルモン量は、1年間の分泌量を合わせてもスプーン1杯以下と言われています。

その微量なホルモンの異常を血液検査で見つけられるようになってきているのです。

甲状腺の病気には、甲状腺機能が低下する「甲状腺機能低下症」と甲状腺機能が働き過ぎる「甲状腺機能亢進症(こうしん・しょう)」があります。甲状腺は代謝の働きをコントロールする機能があり、機能低下・機能亢進で全く逆の症状が現れます。

また甲状腺疾患は、動悸・イライラ・むくみなどの症状で見過ごされやすく、甲状腺を調べる血液検査などをしないと分からないことが多いです。

そのため、甲状腺疾患は他の病気と勘違いされたり、見落とされるケースが多く、これまで体調不良が改善されなかった方も多いので、甲状腺疾患が疑われる方は血液検査などで検査して頂きたいです。

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甲状腺の検査 数値の基準値は?

甲状腺の検査は、血液検査で甲状腺ホルモンの数値が基準値と比較して正常・異常を判断します。

<甲状腺の検査 数値の基準値>

  • TSH(甲状腺刺激ホルモン):基準値 0.50~5.00μIU/ml

    TSHは、甲状腺刺激ホルモンといい甲状腺が正常に機能しているか調べる検査値として使われています。

    TSHは、脳の下垂体から分泌され、甲状腺から出すホルモン量を調整します。甲状腺からは、T3(トリヨードサイロニン)とT4(サイロキシン)という2つのホルモンが分泌され、自律神経の働きを調節します。

    TSHは人間ドックなどでもTSHを測ることで、甲状腺の機能異常を知ることが出来る数値です。

  • FT3(フリーT3):基準値:2.30~4.30 pg/ml (pg:ピコグラム;一兆分の1g)
  • FT4(フリーT4):基準値:0.90~1.70 ng/ml (ng:ナノグラム:10億分の1g)

    FT4は、FT3の数値と組合せて数値が低いと甲状腺の機能低下、高いと甲状腺の機能亢進と診断します。

    血液中の甲状腺ホルモンは、血清蛋白と結合した形で存在しており、ホルモンの機能を診断するには、ホルモン作用に関係する遊離型サイロキシン(FT4)、遊離型トリヨードサイロニン(FT3)を測定することで甲状腺の状態を知ることが出来ます。

    FT4は血液中の0.02%程度、FT3は血液中に0.0002%程度の量しか含まれておらず、特にFT3は微量なため検査の数値が上手くでないこともあります。

    そこで、FSH、FT4、FT3を総合的に見て甲状腺の異常を診断します。

    FSH、FT4,FT3が基準の数値より少ない場合は甲状腺の機能低下、基準の数値より大きい場合は、甲状腺の亢進と診断されます。

    TSHFT3FT4疑われる病気
    甲状腺機能亢進
    中枢性甲状腺機能低下症
    慢性甲状腺炎など
    TSH産生腫瘍など
  • 抗甲状腺抗体 検査:陽性 →橋本病の疑い

    初期の橋本病を発見するのに抗甲状腺抗体を検査することで初期診断が出来るようになっています。

    抗甲状腺抗体は、橋本病は、甲状腺細胞のタンパク質に関する抗体・TgAb(抗サイログロブリン抗体)と甲状腺細胞にある酵素に対する抗体・TPOAb(高ペルオキシダーゼ)が陽性になります。

    初期の橋本病は、超音波エコー検査でも見つからないことが多かったのですが、抗甲状腺抗体を調べることで初期の橋本病を早期に発見することができます。

  • TSH受容体抗体:陽性 →バセドウ病の疑い

    バセドウ病を診断するのにTSH受容抗体を調べるのが有効です。

    TSHは、甲状腺の細胞膜のTSH受容体と結合し、甲状腺ホルモンの合成・分泌をします。バセドウ病は、TSH受容体に自己抗体(TRAb)が出来て、甲状腺ホルモンを過剰に分泌することでなる病気です。

    そのため、血液中にTSH受容体抗体(TRAb)が出来ているとバセドウ病の疑いがあるのです。

    TRAbの検査は、バセドウ病に似ている無痛性甲状腺炎と判別するためにも有効な検査方法です。

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甲状腺機能亢進症・機能低下の症状とは

甲状腺とは首の喉仏の下にある臓器で、蝶々のような形をしています。

甲状腺からは甲状腺ホルモンが分泌され、身体の新陳代謝を改善し、体のほとんどの細胞が影響を受ける重要な役目を持っています。

その甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンが増えすぎると、新陳代謝が進みすぎて体調に変化が出ます。甲状腺ホルモンが少なすぎると体の臓器の働きが低下します。

<甲状腺機能亢進・機能低下の違い>

  • 甲状腺機能亢進(代謝が良くなりすぎる)

    甲状腺機能亢進になると、体中の細胞が活性化され、少し動いただけでも心拍数が上がったり、汗をかきやすくなります。

    ・脈が速くなる、動悸を感じる
    ・手足の震え、力が入らない
    ・汗をかく
    ・やせる
    ・イライラする
    ・皮膚が黒くなる
    ・脱毛する

  • 甲状腺機能低下(代謝が悪くなる)

    甲状腺の機能低下になると、体中の細胞の働きが弱まり、疲れやすくなります。

    ・体がだるい、重くなる
    ・物忘れ、眠りやすい
    ・むくみがある
    ・皮膚が乾燥しやすい
    ・食欲減退でも太りやすい

  • 体調不良や歳のせいかな・・と思いがちで、甲状腺の病気と知らずにそのまま放置されやすい症状ばかりなので気を付けたいです。

    血液検査で甲状腺の異常を調べることですぐに原因が分かるので、上記のような体調の変化を感じたら、甲状腺の血液検査をしてみて頂きたいです。

まとめ

  • 甲状腺の病気は気づきにくいため、体調の変化を感じたら血液検査をする
  • 甲状腺ホルモンは、体中の代謝をコントロールしているので異常になると体全体が変化を受ける
  • 甲状腺の病気には、橋本病・バセドウ病などあり早期発見・装置治療が大事

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