不整脈?動悸・息苦しい・めまいは大丈夫?危険な症状とは
不整脈が起きると、心臓に血液がリズムよく流れず動悸・息苦しい・めまいといった症状が出ることがあります。
不整脈は無症状のことも多く、動悸・息苦しい・めまいがあるときは不整脈がないか心電図にて確認することが大事です。
ただ不整脈が常時起こることは少ないため、24時間計測可能なホルスター式心電図計で、携帯型の心電図を付けながら計測し、後で不整脈を調べる方法をとります。
健康診断などで見つかる不整脈はほとんどが問題ないものが多いです。ですが、中には危険な不整脈があることもあるので注意は必要です。
危険な不整脈は、心臓に血液がスムーズに送られない・心臓の拍動が異常になるサインでもあり、脳梗塞・心不全・心室細動・心房粗動などの重大な心臓病に繋がることもあります。
危険な不整脈があるようなら、薬物治療・手術などで早めに心臓病のリスクを減らすことができるので、早めの対処が必要です。
また、心臓に動悸を感じたり、息苦しさを感じていると、不安になりさらに動悸が気になるようになる心因性のものもあります。
心臓のことが気になると、心配で眠れなくなったり、高いストレス状態になることもありますので、早めの信頼の置ける病院にて検査をして問題ないかチェックして頂きたいです。
ここでは、不整脈で動悸・息苦しい・めまいなどの症状が起きる症状の種類や、危険な症状についてご紹介します。
不整脈?動悸・息苦しい・めまいは大丈夫?
突然起きる、動悸・息苦しい・めまいは、不整脈が必ずしも原因ではないですが、気になるときは心電図の検査を受けることをおすすめします。
不整脈が発生すると、動悸・息苦しい・めまいなどの症状が出ることがあります。ですが、動悸などの症状が不整脈と関係しているかはその時に心電図を付けていないと判断がつかないです。
そのため、24時間心電図を計測可能なホルスター心電図を付けて、普通の生活をして不整脈が起きていないか記録してチェックする方法が取られる事が多いです。
<不整脈で動悸・息苦しい・めまいの症状が起きるものは?>
- 期外収縮(きがい・しゅうしゅく)
不整脈で最も多いのが「期外収縮」と呼ぶ不整脈です。
期外収縮は、心臓からの脈のタイミングがズレるのが特徴です。通常は一定のリズムで刻んでいる脈が、飛んだり、間に小さい脈が入ってリズムが一定でなくなります。
自覚症状は、一瞬脈がドキンと感じたり脈が飛んだ感じがすることもあります。ほとんどの方は無症状のことが多いです。
心臓には鼓動を促す電気信号を発生する部分があります。健康時は、電気信号は一定に流れ、心臓も同じように動いていますが、不整脈が生じるときは、電気信号と心臓の動きが異常になることがあります。
心臓に血液を貯めるタイミングに十分に血液が貯まる前に収縮すると、血液がないのに収縮するため”空打ち”になります。この時、脈が飛んだ・抜けたような感じをすることがあります。
その後の収縮では、前回血液を貯められなかった分の血液が合わさり、通常より多い血液を心臓から体内に送るため「ドッキン」という動悸・脈が飛ぶような感覚を感じます。
期外収縮の多くは、心臓に問題ないことが多く、そのまま生活していても問題ありません。ですが、発生タイミングや頻度が多いと危険な状態になることもあります。
- 頻脈性不整脈(ひんみゃくせい・ふせいみゃく)
頻脈性不整脈とは、心拍数が健康な基準1分間に50回~100回を超えて、心臓の拍動に異常が出る不整脈です。
心臓を拍動させる電気信号が、異常に早く出続けたり、1回の電気信号が上手く消えずに意図しないタイミングで心臓が動いてしまうことで不整脈になります。
運動したり緊張したりすると心臓の拍動は、早くなります。問題になるのは、脈が早い状態(頻脈)、胸の不快感、めまいが長く続いたり、突然頻脈になることなどがあります。
頻脈性不整脈は、無症状の場合もあり、心電図検査をしないと不整脈かどうか分からないことが多いです。気になる方は早めに病院での検査をおすすめします。
頻脈になる心臓の部位、心臓の拍動の早さで不整脈・心臓病の名称が決まります。
・1分間に50回~100回の拍動 ・・正常
・1分間に100回~300回の拍動 ・・頻脈(ひんみゃく)
・1分間に300回~400回の拍動 ・・粗動(そどう)
・1分間に400回以上の拍動 ・・細動(さいどう)・心臓の部位:心室(しんしつ)、心房(しんぼう)
→例:心室細動、心房粗動
- 徐脈性不整脈(じょみゃくせい・ふせいみゃく)
徐脈性不整脈は、心臓の拍動が1分間に50回未満になる不整脈です。
心臓を動かすための電気信号が上手く出ないことや、電気信号が心臓内に上手く伝わらないことが原因で発症します。
徐脈性不整脈は心臓から送り出される血液が少なくなるため、息苦しさやだるさなどを感じます。ヒドくなるとめまい・失神を起こします。
3秒以上心停止すると、脳の血流が不足しめまい・失神することがあります。
徐脈性不整脈だけの原因では危険な状態になることは少ないですが、失神をする時に頭をぶつけるなどの危険性があります。
失神などの症状が重くなっていくとペースメーカーなどを入れる治療が検討されます。
不整脈は、安静時・運動時など心臓の状態によって発生するため、診断が難しいです。不整脈が気になる方は、24時間計測ができるホルスター心電図を付けて、脈が飛んでないか?など検査することをおすすめしたいです。
不整脈の心配がストレスになり悪化する?
不整脈が気になると、心臓が動いているのが気になって眠れなくなったり、1人でいると心配になってしまいますよね。
不整脈が気になって仕方がない!という方は、病気でなかったら・・?と思わずに、早めに病院で検査して頂きたいです。
病院で検査を受けるだけでかなり安心ができます。
また、あまり1人で心臓や不整脈のことを考えていると、ストレスになるので、出来るだけ家族や知人に相談するなどして、ストレスを無くすことも大事です。
ストレスがあまり高くなると、不整脈の原因になりえるのであまり心配しすぎないようにすることも大事です。特に睡眠はしっかり取るようにして頂きたいです。
糖尿病・高血圧などの既往症がある方は、医師と相談して進めて頂きたいです。
不整脈で危険な症状とは?
不整脈は、不整脈単独というより他の病気と関係して起きていることが多いです。
そのため、不整脈で危険な症状を見極めるにはは、他に病気がないかチェックすることも大事です。
不整脈の症状で多いのは心臓病で、狭心症・心筋梗塞、心不全・心膜炎・心臓弁膜症 等が挙げられます。
他には、生活習慣病としては糖尿病・高血圧、肺の病気(COPD・慢性閉塞性肺疾患)、甲状腺機能亢進症、などがあります。
不整脈の症状は、他の病気と関係していることが多いので、症状が出たら他の病気の可能性も一緒の合わせて検討する事が大事です。
<不整脈の危険な症状・サインは?>
- 急に脈が速くなる・めまい・ふらつき →危険 発作性上室性頻脈
発作性上室性頻脈(ほっさせい・じょうしつせい・ひんみゃく)は、突然、脈が1分間に200回以上の頻脈になります。
急に脈が早くなり強い動機を感じ、しばらくすると動悸が急に収まるのが特徴です。
めまいやフラつきを感じて、場合によっては失神してしまうこともあります。発作性上室性頻脈は、すぐに命に係るものでないですが、日常生活に危険が及ぶ可能性が高いので、早めの検査・治療が必要です。
心臓を動かす電気信号が何かしらの原因でグルグルと回ってしまい心臓が異常動作します。WPW症候群という生まれつき心臓疾患を持つ方に多い症状です。
薬による治療や心臓にカテーテルを通して原因箇所を治す治療(カテーテルアブレーション)も行われています。
- 動悸・胸の不快感・息切れが30秒以上続く→危険心室頻脈(しんしつ・ひんみゃく)
心拍数が1分間に100回~200回の頻脈になり、動悸・胸の不快感、めまいが30秒以上続くと、心室頻脈の疑いがあります。
心臓の心室(しんしつ)は、血液を全身に送る部屋があり、その部分に異常な電気信号の興奮が起こり、脈が早くなり強い動悸や胸の不快感を感じます。
発作が起きている時間が30秒未満なら「非継続性心室頻脈」、30秒以上なら「継続性心室頻拍」と診断されますが、30秒以上の心室頻脈は危険な心室細動といったさらに危険な心臓病に移行することがあります。
30秒以内の発作の場合で他の病気がないときは、治療せず様子見になることが多いです。
30秒以上の発作の場合は、薬物治療・電気ショック療法・カテーテルアブレーションなどの処置を取ります。
- (無症状)、動悸・息切れ、失神→危険心房粗動(しんぼう・そどう)
- 急に心拍が速くなる・強い動悸・胸苦しさ→危険心房細動(しんぼう・さいどう)
- 心停止→危険心室細動(しんしつ・さいどう)
- 息切れ・疲れやすい・脈が遅い→危険洞不全症候群(どうふぜん・症候群)
- 脈が飛ぶ・動悸・息切れ→危険房室ブロック(ぼうしつ・ブロック)
心房粗動は、心臓の心房内での電気的興奮が非常に早いスピードで発生する心臓疾患です。
1分間に300回程度の異常な早さで心臓の収縮の電気信号が発生しますが、心臓には「房室結節」が電気信号を抑え安全装置として働きます。
房室結節がどの程度異常な早さで心臓の収縮信号を伝えるかで、自覚症状が変わり、病状の危険度も変わってきます。
心臓の拍動を促す電気信号 4回に1回分の拍動信号になる場合は、自覚症状はありません。2回に1回の場合は、心拍数が150回/分になり、動悸や息切れなどの自覚症状があることがあります。
房室結節が機能せず、1分間に300回の電気信号を心房に伝えると失神などをして、心不全や心房細動に移行して危険な状態になります。
心房細胞は、心臓の基礎疾患がある方に多く見られるため、医師と相談の上心房粗動にならないようにしていただきたいです。
心房粗動の治療は、薬物治療・電気ショック療法・カテーテルアブレーションにより治療します。
心房細動は、心房内に電気的興奮があちこちに発生し、心房が細かく震えるような状態です。
脈は不安定になりますが、房室結節が安全装置として働くため、心機能はすぐに低下はしません。ですが、心臓に大きな負担がかかり心不全や、血栓が起きやすくなります。
心房細動が起きた約70%の方は、自覚症状がないと言われています。自覚症状がある場合は、急に心拍が早くなったり、強い動悸、胸苦しさがあります。
心房細動の原因は、狭心症・心筋梗塞などの心臓疾患だけでなく、糖尿病・高血圧、睡眠不足、ストレスなどの要因が様々に重なって起きるとも言われています。
心房細動は自覚症状が少ないため、見過ごされがちですが、定期的な診断や既往症などの治療を注意して行っていただきたいです。
心室細動は最も危険な不整脈で、心臓が細かく痙攣し、心臓の機能が停止した状態になります。
心臓内の電気的興奮が心臓の中でグルグル回り続け、血液を全身に送る心臓の機能が失われます。
心室細動が起きると、5~10秒程度で血液循環が止まることで意識を失います。心室細動は自然に止まらないので、AEDによる救命措置が必要です。
心室細動が起きやすいのは、心筋梗塞などの心臓疾患がある方、若年~中年男性に多い「ブルガダ症候群」、子供に起きる「QT延長症候群」の方です。
ブルガダ症候群は、心電図が特殊なブルガダ心電図型となりますが、特別な心臓疾患はないです。遺伝的な要素があるとも言われています。
子供に多いQT延長症候群は、心電図におけるQ点、T点の間隔がが正常値より長いです。QTとは、心室が電気信号に反応してから元に戻るまでの時間で、QTが長いと心室細動になりやすいと言われてます。
洞不全症候群は、心臓を動かす電気信号を出す「洞結節(どうけっせつ)」に異常が生じ、心臓の動きが低下します。
高齢者に多い不整脈で、心臓が弱っているため、少し体を動かすだでけでも息切れがして疲れが出ます。
洞不全症候群が悪化して、3秒以上の心停止が起きると、めまい・失神が起きます。
洞不全症候群の治療は、症状が軽い場合は様子見で、症状が重い場合は、薬物治療・ペースメーカーの埋め込みが行われます。
房室ブロックは、心臓の拍動を行う電気信号が心臓に各所に上手く届かないことで発生します。
心臓の各所に拍動を促す電気信号が上手く伝わらないと、心臓の収縮が上手く行かずに血液が十分に全身に送れなくなり、めまい・息切れなどが起きやすくなります。
初期症状では自覚症状はなく、治療の必要はないことが多いです。ですが、脈が飛んだり、動悸・息切れを感じると、房室ブロックの中度以上の重症度になると、精密検査を受けて治療が必要か医師の判断が必要です。
危険な不整脈は、症状だけでは判断が難しいです。また、不整脈は生活習慣病なども関わっていることが多いので、合わせて治療をしたいです。
症状が出ているときは、すでに悪化していることもありうるため、出来るだけ早めに病院で検査・診断をして頂きたいです。
まとめ
- 不整脈は心電図を見ないと心臓に問題があるか分からないので、早めに検査をする
- 危険な不整脈は24時間心電図などを利用して、心臓疾患がないか検査するのが大事
- 不整脈は、糖尿病・高血圧などの病気と関係していることが多いので既往症の治療もおろそかにしない