貧血の血液検査の基準値は?赤血球とヘモグロビンの関係とは

貧血 血液検査 基準値人間の体には体重の約1/13の量の血液が循環しています。

体重50kgなら約3.8リットル、体重60Kgなら4.6リットルの血液が、約1分間をかけて体中を巡っています。

そして、血液中に酸素を運ぶヘモグロビン・赤血球が体中に酸素を運ぶことで体が維持されているんですね。

ですが、鉄分とタンパク質で構成されるヘモグロビンが不足すると、体中に酸素が行き渡らなくなります。

そして、体中に血液を通して酸素が行き渡らなくなる病気が「貧血」なんですね。

貧血は、若い女性になりやすく、毎月の月経出血により「鉄分欠乏性貧血」になる方が多いです。女性の場合は出血によるために貧血になると思われがちですが、ダイエットなどの過度な食事制限や、栄養不足なども関係しています。

また、貧血は赤血球が破壊されて起きる「溶血性貧血」、ビタミン不足による「巨赤芽球性貧血」、赤血球を作る脊髄が弱くなり起きる「再生不良性貧血」と様々な貧血があります。

貧血は、冷え性とも関係していて、冷えが進むと血液・酸素を末端まで送る事ができずに、貧血気味になる方もいます。

貧血は、鉄分不足だから・・と思いがちですが、原因によっては治療が必要なケースもあるんですね。

そこで、ここでは、貧血になる血液検査の基準値、WHOでの基準値、ヘモグロビン・赤血球の関係などについてご紹介します。

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貧血の血液検査の基準値は?

貧血の血液検査の基準値と検査項目は、以下のとおりです。

<貧血の血液検査(成人女性の場合・妊婦さん除く)>

検査項目 正常値 WHOによる貧血の判断値
Hb(ヘモグロビン量) 11.5~15.0g/dl 12g/dl未満
Ht(ヘマトクリット) 35~45% 36%以下
RBC(赤血球数) 370万~490万個/μl

<貧血の血液検査(成人男性の場合)>

検査項目 正常値 WHOによる貧血の判断値
Hb(ヘモグロビン濃度) 11.5~17.0g/dl 13g/dl未満
Ht(ヘマトクリット) 40~50% 39%以下
RBC(赤血球数) 370万~570万個/μl

WHOの基準では、血中のヘモグロビン濃度が低い状態としており、基準が厳しくなっています。病院の貧血検査では、Hb、Ht、RBC以外に貧血の原因を調べる赤血球恒数(MCV/MCH/MCHC)を検査することが多いです。

<貧血検査項目の意味>

  • Hb(ヘモグロビン濃度)

    ヘモグロビン濃度は、血中に含まれるヘモグロビンの量です。

    ヘモグロビンは、ヘム=鉄を含む色素、グロビン=タンパク質が合成したものです。肺で酸素をもらうと鉄分が酸化して、赤くなり、酸化ヘモグロビンとなり、体中の細胞に酸素を届けます。

    酸素を渡した後のヘモグロビンは、静脈では色がなく、灰色をしているとされています。(見た目は青い血管が見えますよね)

    鉄分は肝臓に貯蓄されていて、不足すると消費されますが、それもなくなるとヘモグロビンが作れなくなります。ヘモグロビン量が少なくなると、体中に酸素が送り届けられなくなるため、貧血になります。

  • Ht(ヘマトクリット)

    ヘマトクリットは、血液を分離した後の血球の割合です。(ヘマト=血液、クリット=分離という意味)

    血液は、赤血球以外にも、様々な構成物で出来ています。

    血液は、血球(約45%)、血漿(けっしょう・約55%)の2つで構成されています。

    血球には、赤血球・白血球・血小板があります。血漿は、約90%は水分で、フィブリノゲンなどのタンパク質、中性脂肪などの脂質・尿素・ケトン体、ミネラル成分等で構成されます。

    Htを調べることで、血液中にどれくらいの赤血球が存在するのかをチェックできます。

  • RBC(赤血球)

    血液中に1マイクロリットル(マイクロ=ミリの1000分の1)中に、赤血球がどれくらい含まれる個数です。

    赤血球は、骨髄の造血幹細胞から血球として生まれ、鉄分とタンパク質が合成することでヘモグロビンを含む形で赤血球になります。

    鉄分は食べ物や、貯蔵された肝臓より使われます。鉄分が不足しても、すぐに貧血にならないのは、肝臓に貯蔵されている鉄のお陰でもあるんですね。

    赤血球は、脊髄で生まれて約120日間、体中に酸素を送り、寿命を終えると分解されて、一部がビリルビンという黄色の色素になります。

    ビリルビンは、尿や便として排出されます。尿や便の色が黄色・茶色なのは、ビリルビンの色が関係しています。

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赤血球とヘモグロビンの関係とは

血液は、赤い色をしていますが、赤い色は赤血球のヘモグロビンの色です。

赤血球は、ヘモグロビンという鉄とグロビンというというタンパク質が合成した血色素で作られています。

ヘモグロビンは鉄とタンパク質で出来ていて、酸素を運ぶ時に赤くなります。ヘモグロビンが減ると、赤みが薄くなり黄色がかった色になります。

貧血になると、酸素を運ぶヘモグロビンが減りますので、血液の色の赤みも薄くなります。すると末端の血管の赤色が薄くなっていきます。

そのため、目のまぶたの裏にある粘膜の血管を見て、くすんだ色になっていないかをみて、貧血状態か確認できます。

貧血時は赤色がなくなり、顔も青白くなり、ツメがピンク色でなく白色になります。貧血状態が続くと、ツメの表面がでこぼこになったり、反り返ることもあります(さじ状ツメ)。

ヘモグロビンは、肺で酸素を取り込んで赤くなり酸化ヘモグロビンになります。そして、体の末端の細胞に酸素を届けると、還元ヘモグロビンになります。

血液が体の末端から心臓に戻るまでに、細胞から出た二酸化炭素を取り込んで、静脈を取って肺から二酸化炭素を排出させ、また酸素を取り込んで、体中に酸素を運んでいきます。

体を維持するために、ヘモグロビンは、酸素を体中に届ける大事な働きをしているんですね。

貧血の精密検査値 赤血球恒数(MVC/MCH/CMHC)について

貧血は、Hb(ヘモグロビン濃度)、Ht(ヘマトクリット)、RBCにて判断しますが、貧血の原因を調べるには、さらに「赤血球恒数」を計算にて算出します。

MCV、MCH、MCHを計算することで、貧血の原因、貧血の種類などを推定する指標になります。

<赤血球恒数の計算方法>

検査値 基準値 計算方法
MCV(平均赤血球容積) 83~100(fl) MCV=ヘマトクリット値÷赤血球数×10
MCH(平均赤血球ヘモグロビン量) 28~34(pg) MCH=ヘモグロビン量÷赤血球数×10
MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度) 32~36(%) MCHC=ヘモグロビン量÷ヘマトクリット値

MCVは、赤血球の平均的な大きさを表します。基準値内なら「正球制」、基準値より大きければ「大球性」、小さければ「小球性」と判断します。

MCHは、赤血球に含まれる平均的なヘモグロビン量を表します。基準値内なら「正色素性」、基準値より大きければ「高色素性」、低ければ「低色素性」と判断します。

MCHCは、平均的な1つの赤血球に対して、平均的なヘモグロビン量を示します。

MCV、MCH、MCHCの3つの値を使い、赤血球の大きさ、ヘモグロビン量が含まれる量などを推定します。必要に応じて、さらに貧血の原因となる検査を実施します。

体内の鉄が不足する鉄欠乏性貧血は、赤血球が小さく、ヘモグロビン量も少ない傾向にあり、MCV、MCH、MCHCが全て少なくなります。

貧血の種類 MCV MCH MCHC 貧血の原因
正球性低色素性貧血 正常 正常 正常 赤血球が壊れる溶血性貧血、出血による貧血、続発性貧血など
小球性低色素性貧血 低い 低い 鉄欠乏性貧血、続発性貧血など
大球性低色素性貧血 高い 正常 ビタミン不足による巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅう・せい・ひんけつ)など

貧血の原因は、多岐にわたっており、病院でしっかり検査をする必要があります。

貧血の原因は1つでない可能性もあるため「たかが貧血」と思わずに、原因を確実に確認できるよう精密検査をするようにしていただきたいです。

まとめ

  • 貧血の検査は、Hb(ヘモグロビン濃度)、Ht(ヘマトクリット)、RBC(赤血球数)の3つの値で一次診断をする
  • 貧血の原因を調べるには、赤血球恒数にて必要に応じて、さらに精密検査を行う
  • 貧血の原因は様々あるため、病院でしっかり検査をして、対策をしておくことが大事
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