前頭側頭型認知症の初期症状と進行の経過は?早期発見するためには
前頭側頭型認知症は、初期症状は認知症と分かりづらい特徴があります。
以前は「ピック病」と言われていていました。
認知症の中では、全体の約5%が前頭側頭型認知症(FTD)と言われています。
アルツハイマー型・レビー小体型認知症・脳血管性認知症についで発症割合が多いです。
前頭側頭型認知症は、病変が前頭葉・側頭葉が萎縮します。認知症特有の「物忘れ」がみられないことがあります。
そのため、前頭側頭型の早期発見は難しいことがあります。
そこで、前頭側頭型の初期症状と進行の経過、早期発見についてご紹介します。
前頭側頭型認知症の初期症状と進行の経過は?
前頭側頭型認知症(FTD)の初期症状は、自己中心的で社会性がなくなる・性格が変わることです。
FTDでは「ピック球」と呼ばれる異常なタンパク質がたまり、前頭葉・側頭葉が萎縮することで発症するとされます。
前頭葉は、人間生活を営むのに必要な社会性を司る働きがあります。
そのため、前頭葉の機能低下が起きると、ガマンをすることができなくなり、自分が好きなことをするようになります。
また、側頭葉は、左側は言語能力、右側は視覚能力を司る働きがあります。
側頭葉の右側・左側のどちらが機能低下するかにより、症状が変わります。
人の意見を聞かなくなる
急に性格が変わるのが、前頭側頭型認知症の初期症状の1つです。
性格が変わる特徴は、自分勝手になる・ガマンができなくなることがあります。
自分がしたいことをためらいなく始めてしまいます。
例えば、おとなしかった性格の方が、急に大声で怒鳴る・暴力を振るうようになる等です。
心で思っていたことが、ガマンできずに行動に起こしてしまうのです。
また、注意しても全く無関心です。
社会のルールを守らない
社会のルールを守らなくなります。
万引き・赤信号を渡るなど、社会ルールを一切無視して行動します。
その場で怒られても、全く意に介さないのが特徴です。
病院の診察を受けても、横柄な態度を取り、医師の質問にも答えなかったりします。
無表情になる
前頭側頭型認知症は、顔が無表情になることも特徴です。
大声を出して怒っているのに、顔は無表情だったりします。
顔の表情が変化しているか確認することが大事です。
病気の自覚がない
前頭側頭型の初期症状では、自分が認知症である認識はありません。
認知症の病院に行こうと言うと、受診拒否をして逆上することもあります。
病気の話をすると、怒って乱暴になることもあるので注意したいです。
記憶障害はないことがある
前頭側頭型の初期症状では、記憶能力は問題ないことがあります。
そのため、認知症テストの記憶テスト・計算テスト・空間把握テストなどは合格することがあります。
前頭側頭型の初期では、前頭葉の萎縮だけで、記憶・言語などの脳の働きは正常な状態であるためです。
ですが、前頭側頭型の進行とともに、言語・記憶・空間把握能力は低下していきます。
記憶障害がなくても、社会性がなくなる・無表情・自己中心的になるなど性格の変化があれば、定期的に病院に通院して頂きたいです。
前頭側頭型認知症の早期発見するには?
前頭側頭型認知症を早期発見するには、現時点では難しいとされています。
初期段階では、症状がハッキリしないため、診断が困難なためです。
検査で早期発見するには、PET・SPECTにて脳血管の血流低下を検査します。
前頭側頭型認知症は、言語能力・記憶力・空間把握能力などは正常に見えることが多いです。
さらに、脳萎縮もMRI画像では認められないことがあります。
ですので、脳血流の低下を検査するしかないです。
ただ、初期症状ではハッキリと診断することが難しいため、症状の進行を確認しながら診断・治療していくことが大事です。
まとめ
- 前頭側頭型認知症の初期症状は、人の意見を聞かない・社会性を失う・病気の自覚がないなど
- 初期の段階では、記憶力・空間把握能力・計算などができる
- 前頭側頭型認知症の早期発見は、PET/SPECTなどで脳血流の低下を確認する
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