ドロドロ血の検査をチェックするには?高血圧・糖尿病の関係は
ドロドロ血だと危ない!とテレビなどとよく言われると、心配になりますよね。
「ドロドロ血」というのは通称の呼び名で病名でないため、ドロドロ血の検査というのはありません。
健康診断などで血液などからドロドロ血かどうかは、ある程度判断できます。
ですが、サラサラ血だから健康、というわけではないのをご存知でしょうか。
健康なのは、ドロドロ血になりすぎても良くなく、サラサラ血になりすぎてもよくないのです。
そこで、ドロドロ血の検査方法、改善する方法についてご紹介します。
ドロドロ血の検査の方法は?
ドロドロ血の検査をするには通常の血液検査からある程度わかるので、まずそれでチェックするとよいです。
1.糖代謝
以下の基準値になっていると、糖尿病のリスクがあります。
①~③のどれか1つでも当てはまり、④だと「糖尿病」診断されます。
- ①早朝の空腹時の血糖値:126mg/dl以上
- ②75gOGTTで2時間値:200mg/dl以上
- ③通常時血糖値:200ml/dl以上
- ④HbA1c(NGSP):6.5%以上 (JDS:6.1%以上)
糖代謝は、血液中の血糖(ブドウ糖)がどれくらいあるかを示しています。
血液中の血糖値は、食事などをすると変化しますが、インスリンというホルモンにより、血糖の量が一定になるように調整します。
血糖の量が多すぎる状態が続くなどすると、糖尿病になります。
糖尿病は、インスリンの分泌が異常になり、血液中のブドウ糖の量がコントロールできなくなる病気です。
血液中のブドウ糖の量が増えると、血液はドロドロ血になり、血管は動脈硬化状態になります。
糖尿病が一度起きると、体全体に影響をおよぼすので注意が必要です。
2.脂質
以下の基準値になっていると、高脂血症(脂質異常症) のリスクがあります。
3つのうちどれか1つでも当てはまると高脂血症のリスクがあると診断されます。
- 中性脂肪:150mg/dl以上
- LDLコレステロール(悪玉コレステロール):140mg/dl以上
- HDLコレステロール(善玉コレステロール):40mg/dl未満
上記の血液の状態に当てはまる方は、高脂血症(脂質異常症)と判断されます。
血液中に中性脂肪・コレステロールが多く流れている状態です。
血管の壁には、脂質・コレステロールが溜まっていき、血管を圧迫していきます。それが血栓という血管の詰まりになり、心筋梗塞、脳梗塞とった病気の引き金になります。
ドロドロ血になる原因とは?
ドロドロ血は、血液が高い粘稠度(粘り強い状態)になっていることです。
本来、血液はある程度、粘稠度を持っており、粘性がないと人間は生きていけないのです。
例えば、指を切って血が出た時に、水のような勢いで血液が出たら止まらなくなってしまいます。
そのため、血液はある程度、粘りがある状態になっています。
ですが、粘りがありすぎるドロドロ血は、血管中の血液の流れに早いところと遅いところがでてきます。
そこで、血管が弱くなっていると、血管が破れてしまうことがあります。これが、血栓のできる原因になります。
血栓ができると、血管が詰まり、脳梗塞・心筋梗塞といった病気を引き起こすリスクが高まります。
また、ドロドロ血で血管が満たされると、血液を使って伝わる酸素や、栄養分が体の隅々まで届かなくなり、血圧も高くなります(高血圧)。
ドロドロ血が進むと、高血圧・糖尿病から、心筋梗塞・脳梗塞といった病気に発展するため、注意が必要です。
一方、粘りがないサラサラ血は、一見よいように思われますが、サラサラ血が進むと、血圧が低下して、酸素を供給する赤血球が壊れやすくなります。
すると、酸素が体の隅々に届かなくなるため、酸欠状態になり、物忘れをしやすくなったり、低血圧、貧血、といった症状が現れます。
そのため、血液の粘り気は程良いのが丁度よいのです。
といっても、サラサラ血になるより、ドロドロ血になることが多いので、ドロドロ血にならないよう運動・食生活に注意して、健康診断を定期的に受けるようにするとよいです。
血液の粘稠度は朝起きた時に低いと言われているため、朝起きたら水をいっぱい飲むといいでしょう。
ドロドロ血を改善するには?
ドロドロ血を改善するには、悪玉コレステロールなどを減らす食事がよいです。
青魚などに含まれているDHA・EPA、エゴマ油・亜麻仁油・オリーブオイル、といった植物油のオメガ3という脂肪酸をとるようにするといいです。
脂肪には、動物性の飽和脂肪酸と植物性に多い不飽和脂肪酸があります。
通常、よく食べるのが豚肉、牛肉、乳製品といった不飽和脂肪酸です。
不飽和脂肪酸をとるのをできるだけ避けて、不飽和脂肪酸を多く摂ることで、善玉コレステロールが増えます。
善玉コレステロールが増えると、血管の壁に張り付いてる
コレステロールが減る傾向があります。
そのため、血管の流れが良くなり、血栓ができづらくなります。
また、適度な運動も必要です。
激しい運動はかえって体に負担をかけて良くないです。
激しい運動(無酸素運動)をし過ぎると、取り込んだ酸素が「活性酸素」となり体内の細胞を傷つけます。活性酸素が多いと、老化・病気になりやすいとされていますので、注意したいですね。
ウォーキングなどの軽い運動(有酸素運動)をすると脂肪が消費され、血管の状態も良くなっていきます。
ドロドロ血を改善するには、毎日の食事で不飽和脂肪酸を取り、適度な水分を取るようにします。そして、出来るだけ有酸素運動をする生活習慣を作るいいですね。
まとめ
- ドロドロ血を検査するには健康診断の血液検査値を参考にする
- ドロドロ血もサラサラ血も限度を超えると危険
- 植物油、青魚など不飽和脂肪酸を取り、運動を心がけるとドロドロ血が改善する