デング熱を予防するには?虫除けグッズは効果ある?気を付ける点は
デング熱が2014年夏~秋にかけて日本で流行して話題になりました。
デング熱は元々は、東南アジア・中南米などの国で流行る熱性感染症でした。それが日本でも急速に流行り、一時期はデング熱のパニックとも言われる状態になりました。
デング熱の治療薬はなく、対処療法しかないので適切に治療しないと致死性がある病気でもあります。
そして2014年は秋になり気温低下とともにデング熱ウィルスを媒介する蚊がいなくなり、収束・パニックも収まりました。
デング熱は蚊が吸う血液を媒介して、人から人に感染していく病気です。潜伏期間が少し長いため、発見が遅れがちで日本中に広がってしまい、騒ぎが大きくなってしまったんですね。
2015年以降も、デング熱は日本でも今後も発生すると思って、予防や対策・準備をしておいたほうがいいです。
では、デング熱を予防するにはどうしたら良いのか?デング熱になっても大丈夫なのか?デング熱って何?といった疑問についてご紹介します。
デング熱を予防するには?気を付ける点は
デング熱は、英語名dengue feverといい、一過性の熱疾患です。10%~20%で出血性デング熱を発症し、鼻血や胃腸の出血がある場合があります。
ほとんどのケースは、7日間発熱や発疹ががあり、ウイルスがなくなると回復し、後遺症もありません。
デング熱のワクチンや治療薬は開発されていません。デング熱にかかったら、病院での治療をして、デング熱が収まるのを待つしかないです。
ただ、致死率は低く(1%~数%)、後遺症もないため慌てないで病院で治療することが大切です。
デング熱は、人→蚊→人で感染するため、蚊にさされないことが一番の予防策です。
ワクチンや治療薬がないため、デング熱を予防するには、蚊に刺されないようにするしか今のところは予防策はありません。
日本にいる蚊は約100種類、そのうち人を刺す蚊は20種類、デング熱ウィルスを媒介する蚊は次の2種類です。人をさす蚊はメスだけです。
ヒトスジシマカ(やぶ蚊)は、日中活動するため、出来る限り昼間に蚊に刺されないようにする工夫が大事です。
<デング熱はどんな蚊から感染するの?>
- ヒトスジシマカ
*国立感染症研究所昆虫医科学部HPより ヒトスジシマカは昼間に活動して水気のあるところにいる一番さされやすい蚊です。通称「やぶ蚊」、白黒のしましまの蚊です。
ヒトスジシマカは、本州の南をほぼカバーするところに生息しています。(北海道・秋田・岩手の一部除く)
活動時期は5月から10月下旬。溜まった水があるところや、森林・木陰などに生息しています。秋になると気温が低下すると死んでしまい卵の状態で越冬します。
夏場は、都会でも、雨水がたまった植木鉢やペットボトル・缶、公園、墓地などに生息しているので注意が必要です。
- ネッタイシマカ
ネッタイシマカは、日本には生息しておらず、生態からは沖縄の南東部でしか生息できないと言われています。
ですが、空港などの温度が高いところで棲息する可能性があり、今後も見過ごすことができない蚊の一種です。
ネッタイシマカも森林などに生息し、デングウィルスを持っているネッタイシマカに刺されるとデング熱に感染する可能性があります。
蚊を寄せ付けない虫除け対策グッズは?
虫除けの商品は多く出ていますが、これまで日本ではデング熱などを想定していなかったため、殺虫成分の濃度が低い物が多いので注意が必要です。
できたら、デング熱を持つ蚊を寄せ付けない強い殺虫成分の虫除けを使うことが大事です。
その成分の1つとして「ディート」が上げられます。ディートは、ジエチルトルアミドという殺虫能力が高い成分で、日本では配合は12%までが医薬品として売られています。
ただ、殺虫能力が高いために、逆に人間にも良くない成分です。赤ちゃんや肌への負担などもあるため扱いには注意して下さい(説明書にその旨が記載されています)
↓ディーと配合の虫除けの例
また、やぶ蚊(ヒトスジシマカ)に効く虫除けかどうかもチェックして下さい。やぶ蚊に効果があまりない虫除けですと、意味がありません。
- デング熱の種類
デング熱は、デング熱とデング出血熱の2種類があります。
デング熱とデング出血熱は、同じウイルスによるものですが、デング出血熱は、デング熱にかかった時に、出血が出てきます。血液の血漿(けっしょう)が漏れだして、ショック状態になります。
10-20%程度の方に鼻血や胃腸からの出血が認められることがあります。
- デング熱・デング出血熱の病原体は?
フラビウイルス科フラビウイルス属に属するデングウイルスです。
デングウィルスには4タイプありますが、どのタイプも同様の症状で、見た目でも判断がつかないです。
- デング熱に感染するとどうなる?
デング熱に感染すると、2日~14日間の潜伏期間があります。(大抵は3日~7日で発症)
デング熱が発症すると胸などから発疹が出始め、手や足にまで発疹が広がります。それとともに、高熱が出て、頭痛や目の痛み、筋肉痛などの症状が出ます。熱は多くて7日間程度続き、上昇・下降を繰り返す事が多いです。
デング熱の症状は7日間程度続き、適切な処置をすると収まります。病気の後は、後遺症もなく回復できます。
悪化すると、ショック状態になり致死性が病気ですので、注意は必要です。
- デング熱の致死率は?
日本のデータではないですが、数~1%程度です。
デング熱になっても慌てずに、病院で適切な治療を受ければほぼ回復する病気です。
デング熱は、タイでは約7万人、ブラジルでは約70万人以上感染していて、珍しい病気ではなくなっています。
- デング熱を治す薬はあるの?
現在のところ、デング熱を治す薬はないです。ワクチンも開発されていません。
デング熱は、熱を抑える薬物投与が必要になり、感染しないためにも病院での治療が必要です。
熱が出たからといってアスピリン系の薬を飲むと、デング熱は悪化することもあるので、自己判断で薬を飲まずにお近くの病院での診断をおすすめします。 - 人から人に伝染る?
蚊を媒介しないと、人から人に伝染ることはないです。
デング熱にかかった人がいたら、蚊にさされないよう体を覆う長袖などの服で他への感染を防ぐことが大事です。
デング熱は2回目にかかるとどうなる?
デング熱は、一度かかると抗体ができるので、少しの間はデング熱になりません。
ですが抗体は数ヶ月で消滅するので、1年前にかかった場合でも、次の年に再感染することもありえます。
また、デング熱は4つのウイルスの種類があり、1つのウィルス抗体ができても、別のタイプのデング熱ウィルスにかかると、デング熱になります。
そのため、一度なっても、また再感染することもあり得ると思って注意が必要です。
日本での過去の感染状況は?
日本では、2014年に代々木公園を中心とした感染で、約140名ほどの感染報告があります。
2014年の日本国内でのデング熱の感染例は過去60年間ありませんでした。渡航者の届け出としては、200件程度報告があります。
感染場所は、代々木公園、新宿中央公園、神宮外苑など代々木公園周辺、そこから上野公園や千葉市、隅田公園、兵庫西宮などに広がったようです。
2014年以降、デング熱の監視をしているのは、代々木公園・国立オリンピック青少年総合センター、明治神宮、新宿中央公園、外濠公園です。(今後増える可能性あり 2014年11月時点)
まとめ
- デング熱は、昼間のヤブ蚊に刺されないように森林など行く際は長袖・虫除けを持って行くことが一番の予防
- デング熱は、2種類の蚊を通してしか感染しないので、蚊に刺されないことを注意すれば良い
- デング熱にかかったら、慌てずにすぐに近くの病院で診察をうけ、他の感染しないよう長袖で蚊にさされないようにする