アルツハイマー型認知症の進行・症状は?どんな経過・段階で進むか
アルツハイマー型認知症の進行・症状から病気の段階を知ることが大事です。
認知症の原因は多く、約100以上の病気・原因があるとされます。
アルツハイマーは、認知症の約60%程度とされます。
そのため、アルツハイマー型認知症の患者さんは多く、病気の進行の症状・具合・段階の傾向が分かってきています。
そこで、アルツハイマー型認知症の病気の進行・段階・症状についてご紹介します。
アルツハイマー型認知症の進行・症状は?どんな経過・段階で進むか
アルツハイマー型認知症は、次のような進行・症状の段階を踏むとされます。
アルツハイマーの進行 | 期間 | 症状(中核症状) | 周辺症状(BPSD) | MMSE |
---|---|---|---|---|
軽度認知障害(MCI) | 約10~20年 | 物忘れが増える。少し前の記憶を全て忘れることがある | 性格が変わる。疑い深くなる。同じ話を何度もする。 | 約24~26点 |
認知症(軽度) | 約3年 | 電話番号など暗記ができない。仕事の計画などができない。 | 道に迷いやすくなる。 | 23点以下 |
認知症(中等度) | 約2年 | 時間・場所が不明瞭。整理整頓ができなくなりゴミ部屋になる。 | 歩き回るのが難しくなる。失禁する。 | 14点以下 |
認知症(重度) | 約5年以上 | 排泄・入浴など日常生活に解除が必要になる。 | 歩行困難。寝たきりなどになる。 | 9点以下 |
軽度認知障害(MCI)
アルツハイマー型認知症は、約10年~20年かけてゆっくり進行していきます。
アルツハイマーは、脳の前頭葉・側頭葉に、アミロイドβ・タウタンパクが蓄積し、海馬・側頭葉が萎縮し始めます。
アルツハイマーの初期では、アミロイドβが脳に蓄積して「軽度認知障害(MCI)」という症状が現れます。
軽度認知障害(MCI)は、脳の萎縮はMRI画像などで認めるのが難しい段階です。
物忘れがヒドくなった、と周囲の方から注意されることがアルツハイマー初期のサインです。
MMSEなどの認知症テストを受けることや、PETなどの診断機器で脳血流の低下を確認することが早期発見のポイントです。
認知症(軽度)
軽度の認知症になると、脳の萎縮が始まっていることが多いです。
記憶を司る「海馬」に萎縮があると、日常生活での記憶障害が目立つことがあります。
昔のことは覚えていても、少し前の出来事を全く忘れてしまうなどの症状があります。
加齢による物忘れは、少し前の出来事は断片的に覚えていたり、ヒントを出すと思い出します。
軽度のアルツハイマー認知症だと、出来事そのもの自体を忘れています。
また、アルツハイマーの方に特有の行動として、忘れた時の「取りつくろい」があります。
忘れたことを認めない、たまたま忘れただけ、などと言い訳をして取りつくろいをするのです。
性格も疑い深くなったり、怒りっぽくなったりするため、病院で診断するのが遅れることがあります。
認知症が疑われたら、早めに認知症専門医で診断してもらって頂きたいです。
認知症(中等度)
中等度の認知症になると、脳の萎縮はかなり進んでいることが多いです。
日常の生活に支障がでてきます。
料理の手順が分からなくなる、電子レンジの操作が分からない、などの操作・手順に関わる行動ができなくなります。
整理整頓ができなくなり、ゴミを捨てないで放りっぱなしになり、ゴミ部屋になることがあります。
適切な服装が着ることができなくなることもあります。
周りの人とのコミュニケーションが上手く出来ないことも出てきます。
まだ病院で診断していない場合は、早めに病院にて、診断・治療をして頂きたいです。
認知症(重度)
認知症が重度になると、日常生活の介助が必要になります。
着替え・排泄・着替え・入浴などは1人で出来なくなります。
認知症が進行すると、脳の萎縮による影響で「周辺症状(BPSD)」が現れるようになります。
BPSDは、個人差があります。BPSDは、周囲の方とのコミュニケーションが上手く取れないことで生じることもあります。
そのため、事前にBPSDを理解して対処することが大事です。
主な周辺症状(BPSD)
- 不安・焦燥
- 抑うつ
- 幻覚・妄想
- 睡眠障害
- 多弁多動
- 介護の拒否
- 過食・拒食
- 徘徊
- 不潔行為
- 暴言・暴力
- 依存
認知症の約80%の方が、周辺症状もあるとされます。
アルツハイマー型認知症が進行すると、周辺症状が問題になることが多いです。
そのため、事前に周辺症状と対処法を知っておくことが大事です。
まとめ
- アルツハイマー型認知症は、約10~20年以上ゆっくりと進行する
- 認知症は出来るだけ初期段階(MCI・軽度)のうちに発見・治療することが大事
- アルツハイマーが進行すると、周辺行動も起きるため、症状と対処法を理解しておく
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