nonHDLコレステロールの基準値・糖尿病との関係は?
最近になり、コレステロールの基準値として、
nonHDLコレステロールの値が注目されています。
これまでコレステロールの数値は、総コレステロール値、
HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪などの値に
より糖尿病の検査をおこなってきました。
ですが、総コレステロール値(TC)は、善玉のHDLコレステロールも
含んだ値のため、総コレステロール値だけでは正常・異常の判断が難しいです。
そこで、最近は、non-HDLコレステロールという基準値を使うことで、
動脈硬化の進行度合いがより分かりやすくなるため、
nonHDLコレステロール値が使われる病院も増えています。
nonHDLコレステロールの基準値は?
nonHDLコレステロールの基準値は、次のとおりです。
- non-HDLコレステロール:95-169mg/ml
nonHDLコレステロールの基準値は、LDLコレステロール値に
30mg/mlを加えた数値です。
これまで、動脈硬化を促進するコレステロールは、
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)と考えられてきましたが、
最近になり、他の原因も加えてさらに詳細に数値化したものが、
「nonHDLコレステロール」です。
nonHDLコレステロールは、総コレステロール値からHDLコレステロールを
引いたものです。
nonHDLコレステロール=総コレステロール値(TC)-HDLコレステロール値(HDLC)
血液中にある脂肪・コレステロールの種類は?
血液中にある脂質は、主に中性脂肪(トリグリセリド)とコレステロールの2種類があります。
コレステロールや中性脂肪は、脂質のため水に溶けづらく、
タンパク質と結合して血液中に溶け込んで、全身に運ばれていきます。
結合したタンパク質は「リポタンパク質」といい、
次のような種類があります。
- カイロミクロン
中性脂肪85%、コレステロール7%の成分で、
食べ物から摂取した主に中性脂肪を肝臓や筋肉に運ぶ。 - VLDLコレステロール
中性脂肪55%、コレステロール19%の成分で、肝臓で生成された
中性脂肪・コレステロールを体の細胞に運ぶ。 - IDLコレステロール
中性脂肪24%、コレステロール46%の成分で、
VLDLコレステロールとLDLコレステロールの中間の形状 - LDLコレステロール(悪玉コレステロール)
中性脂肪10%、コレステロール45%の成分で、
肝臓で合成されたコレステロールを体の細胞に運ぶ。
これが血管の壁に張り付き、動脈硬化を進める。 - HDLコレステロール(善玉コレステロール)
中性脂肪5%、コレステロール20%の成分で、
全身の細胞から余分なコレステロールを肝臓に回収したもの。
増えると動脈硬化につながる血管の壁に張り付くコレステロールが減少する。
上記より、コレステロールは、悪玉コレステロールだけ見ていても
十分でなく、IDLコレステロール、カイロミクロンなどの
コレステロールもチェックする必要があることが分かります。
そのため、nonHDLコレステロールが注目されています。
nonHDLコレステロールの意味とは?
nonHDLコレステロールの意味は、血管中に含まれる善玉コレステロールを
全て除いた、コレステロールの値です。
従来は、HDLコレステロール(善玉)、LDLコレステロール(悪玉)のみ
チェックしていました。
ですが、血管中には、これ以外にもコレステロールは存在し、
動脈硬化に与える影響が2つのコレステロール値だけでは、
判断できなくなってきたことにより、nonHDLコレステロールが注目されているのです。
また、nonHDLコレステロールは、食後でも検査値は変わらないことから、
より正確に動脈硬化を発見しやすい値です。
よって、nonHDLコレステロールは、総コレステロール値から、
善玉コレステロール(HLD)のみ除いた数値をみることで、
別の角度から動脈硬化のリスクをチェックできるようになるのです。
まとめ
- nonHDLコレステロール値は動脈硬化の進行をチェックする検査値として有効
- nonHDLコレステロール値は、総コレステロール値から善玉・HDLコレステロールを除いた値で、
血液中にあるコレステロール量を示している