便が出ないで痛い!肛門の出口に溜まったウンチを出し切る方法
便が出ない状態が続くと、お腹がどうなるか心配になりませんか?
便が肛門の出口近くまで来ているのに、なかなか出ないとイライラしますよね。
あともう少しなのに!と思うけど、いきむと肛門が切れて痛くなるので、あまり頑張れなかったりします。
一般的には3日間便が出ないと「便秘」とされているようです。
ですが、便秘が長引くと、1週間~2週間と出ない方もいるようです。
腸の中のウンチはどうなっているのか?食べた物はどこに行ったのか?心配になりませんか?
あまりに便秘が重症化すると、病院で便を強制的に出さないといけないことになります。
下剤や便秘解消のお茶・薬などで一時的に解消できても、また同じ症状になって、便秘が慢性化してしまうんですね。
毎回、下剤で強制的に便を出す前に、スルッと快便になれるといいですよね。
そこで、便秘がちな方でも、自然な方法で便秘解消する方法をご紹介します。
便が出ないで痛い!肛門の出口に溜まったウンチを出し切る方法
便が肛門の出口まで来ているのに、出ないのは、大腸の腸内環境と排便時の習慣を変えると改善するかもしれません。
便が出そうでないのは、便が大腸の「直腸」「S字結腸」に詰まっている可能性が高いです。
直腸、S字結腸は大腸の中でも、便が詰まりやすい場所の1つです。
便が直腸に溜まっている場合、大腸から肛門につながる出口に上手く力が入れられていない場合があります。
また、直腸に便が溜まり続けると「直腸瘤(ちょくちょう・りゅう)」という穴が出来てしまい、直腸瘤に便が詰まり、肛門から出づらくなります。
直腸瘤は、出産経験のある女性、40代以上の女性に多く見られます。直腸瘤に便が詰まると、どんなにいきんでも便が出てこないことがあります。
そのため、病院で造影検査や指診などの検査が必要な場合もあるので注意が必要です。
そこで、便が出そうでない方にスムーズに排便できる方法をご紹介します。
<便が出ないで痛い!スムーズな排便をする方法>
- トイレの姿勢を変える
洋式トイレで座って、排便する時に「良い姿勢」になっていませんか?
排便する時に、背筋を伸ばして排便をすると、直腸と肛門の繋がりが悪くなることが知られています。
自然に座った姿勢でいると、恥骨直腸筋(ちこつ・ちょくちょう・きん)という筋肉が、大腸の出口を引っ張ってしまい、出口がせまくなってしまうのです。
そのため、洋式トイレで排便する姿勢は、少し前かがみがオススメです。
前かがみになって、軽くいきむようにすると、いつもよりスルッと便が出やすくなるかと思います。
和式トイレの場合は、そのままの姿勢でよいです。和式スタイルの方が、人間が排便する姿勢として自然なんですね。
- 食物繊維を取り過ぎない
便秘解消というと食物繊維を取る!というのが決まり文句ですよね。
ですが、便秘の状態で、食物繊維を取ると返って便秘が悪化するので注意が必要です。
食物繊維は大腸の中で、固まって便の元を作る性質があります。ですが、大腸が便で渋滞しているのに、さらに渋滞を増やすと、便秘が悪化しやすいのです。
食物繊維は、不溶性と水溶性の2種類があります。不溶性の食物繊維は、水に溶けにくいため、大腸に便のかさを増やす役割が大きいです。
水溶性の食物繊維は、水に溶けやすいため、ヌルヌル・トロトロの便になるので、便秘解消をするなら、水溶性の食べ物を取るとよいです。
水溶性の食物繊維は、ワカメなどの海藻類に多く含まれています。
1日約24gの食物繊維を取るとよいとされているので、水溶性食物繊維を出来るだけ多めに取るといいですね。
ちなみに、たいていの食品の食物繊維に、水溶性と不溶性の食物繊維が含まています。水溶性食物繊維の割合が多い食品を多く摂るとよいですね。
<食品の水溶性・不溶性食物繊維 割合>
食品 100g当たりの食物繊維(g) 水溶性食物繊維(g) 不溶性食物繊維(g) 玄米 3.0 0.7 2.3 食パン 2.3 0.4 1.9 そば 2.0 0.5 1.5 ごぼう 6.1 2.7 3.4 ブロッコリー 3.7 0.8 2.9 ほうれん草 3.6 0.6 3.0 キャベツ 1.8 0.4 1.4 たまねぎ 1.7 0.7 1.0 納豆 6.7 2.3 4.4 ワカメ 5.8 - - - 腸腰筋(ちょうよう・きん)を上手く使う
便秘になりがちな方は、排便時の力の入れ方が間違っている・弱っている場合があります。
腸の周りにある「腸腰筋」が動き、刺激が大腸に伝わるとスムーズな排便ができます。
運動不足などで便秘になりがちなのは、腸腰筋の動きが鈍っている、上手く使えてない可能性があります。
腸腰筋をきたえることで、大腸に刺激を与えて、排便を促します。
腸腰筋を鍛えるには、座った姿勢で両足をももから上に上げる体操が効果的です。
ウォーキングなどで足を動かすことでも、腸腰筋が動き便秘解消に繋がります。
もし、足を使った運動をしていない自覚があるのでしたら、足を動かして、腸腰筋を動かしてみてくださいね。
- 水分を少しずつ取る
便秘の方に多いのは、便の形状がコロコロする、うさぎのような固い便です。
コロコロした固い便は、食事をしてから100時間以上経った状態です。健康な便では約24~72時間(1日~3日)かかって出てきます。
水分がなくなって固くコロコロ状になった便は、大腸の中でも動きづらいです。排便をさせる腸の動きである、蠕動運動(ぜんどう・うんどう)でも出づらくなるのです。
そこで、水分を少し多めにとって、硬い便を柔らかくして流れやすくします。
水分は一気に飲むのではなく、2~3時間おきくらいにコップ一杯くらい(150ml)に小まめに飲むといいです。
飲む水分は、ミネラルウォーターがよいです。できたら、硬度の高めでマグネシウムが入ったミネラルウォーターがいいです。
硬度の高い水は、便秘改善によいマグネシウムなどの成分が入っていて、やさしく腸の動きを促進します。
気をつけたいのは、お茶、コーヒーなどで水分補給しないことです。お茶・コーヒーは利尿作用があるため、体内から水分を奪ってしまいます。そのため、腸内の水分が余計に減ってしまうのです。
そのため、こまめに硬水のミネラルウォーターを飲むようにしてくださいね。
なかなか治らない便秘で、肛門前の直腸に直腸瘤(ちょくちょうりゅう)という穴が出来て、うまく便が流れない時があります。
また、アニスムスという排便時に力を入れる筋肉がズレていることもあります。通常は上手く排便するよう力むと便が出るのですが、アニスムスだと、別の部分に力が入ってしまい、直腸から排便が上手くできなくなります。
どうしても便が詰まってなかなか出ない!という方は泌尿器科で診断してもらうことも大事です。
ウンチの中身は食べ物以外が多い?
断食(ファスティング)をしていても、健康なら排便します。
実はウンチの中身は、食べ物だけでないのです。
ウンチの中で食べ物が占める割合は、約10%ほどしかないのです。
便の構成は約80%が水分で、約20%が固形で出来ています。20%の固形部分の約1/3が食べ物カスになります。
残りは腸内細菌、腸壁からはがれた粘膜などです。
ですので、食べ物を食べなくても便は出るんですね。
ですが、便秘気味の方は、出来るだけ食べ物を食べるようにして頂きたいです。
食べ物が腸に入ってこないと、腸内細菌のバランスが崩れ、快便になりづらいです。腸内の悪玉細菌が増えると、臭いニオイがして、おなら(ガス)が出るようになります。
腸内のニオイは、アンモニア・インドール・スカトールといった臭い成分が血管を通して、体に汗と一緒に出てくるようになります。
そのため、便通を良くする生活習慣を心がけたいですね。
便が出ないで痛いとどうなる?
便を出そうとして、頑張りすぎるとお尻が痛くなり、出血・痔になる可能性があります。
中でも「切れ痔(裂肛・れつこう)」「いぼ痔(痔核・じかく)」になりやすいです。
切れ痔は、いきんだ時に直腸と肛門の境にある「歯状線(しじょうせん)」が傷つき、出血をします。
いぼ痔は、いきんだ時に直腸がうっ血して、イボのような出っ張りが出来ます。直腸の中にできると内痔核(ないじかく)、肛門側に出来ると外痔核(がいじかく)になります。
イボ状になると、座った時にイボの部分が痛くなり、立つのも座るのも辛くなります。内痔核は、排便をする度にイボが出てきて排便時に痛みが激しくなります。
すると排便するのが辛くなるため、さらに便秘が悪化してしまいます。
そのため、いぼ痔・切れ痔になりそうになったら、まずはウォッシュレットなどで肛門付近を清潔にします。また、出来るだけ力を入れて便をムリヤリ出そうとしないようにします。
そして、ツライようなら早めに泌尿器科の病院に行くことをオススメします。
まとめ
- 便が出なくて痛いのは、大腸の腸内環境を改善、排便の習慣・コツで改善する
- 排便時の姿勢、水分補給、腸腰筋、食物繊維のとり方を上手にすることで便秘改善を目指す
- 便が出なくて痛みをガマンしていると切れ痔・いぼ痔になる可能性があるので注意する