乗り物酔いのような症状 急にめまい・フワフワしたら病気かも?

乗り物酔い

急に乗り物酔いのようなフワフワしためまいや体が揺れるような症状が出たら病気のサインかもしれません。

車やバス・飛行機が苦手で、いつも乗り物酔いをしているなら体質の可能性が高いですが、20歳を過ぎてから急に乗り物酔いをするようなら病気の可能性があります。

車などに乗っていなくても、乗り物酔いをしているような感覚があるのは、三半規管や脳に異常があるかもしれません。

子供の頃は、平衡感覚が発達しておらず、乗り物酔いをしてしまうことが多いですが、車・バス・飛行機などに乗る体験をすることで、乗り物の揺れに慣れてきます。ですが、20歳以上になっても乗り物酔いが止まらないのは病気の可能性もあります。

乗り物酔いをしていなかったのに、急に乗り物酔いをする体質になるのは、脳梗塞などの症状である可能性もあります。

体がフワフワしたり、急にふらついたりすると、階段や電車のホームなどで転倒することもありますので、早めに耳鼻科などで検査することをおすすめしたいです。

ここでは、乗り物酔いをするような感覚がする病気はどのようなものがあるのか、治療法などをご紹介します。

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乗り物酔いのような症状 急にめまい・フワフワしたら病気かも?

乗り物酔いは「動揺病(どうよう・びょう)」という病気に分類されています。

子供の頃は、乗り物の揺れに平衡感覚がないため、乗り物酔いをしやすいですが、乗り物に乗る経験を積むことで、自然と乗り物酔いをしなくなります。

しかし、急にめまいがする、大人になっても乗り物酔いが治らないときは、別の病気が関係している可能性もあります。

そのため、念のため気になるようであれば、耳鼻科などの病院で検査をして頂きたいです。

大人になってから、乗り物酔いをする・乗り物酔いのような症状になるには、三半規管(耳)、脳(小脳)、内科(心臓・血圧)が関係する可能性があります。

大人になって乗り物酔いになる関係する病気【耳に関する病気】

  • メニエール病(めまい・ふらつき)→耳鼻科

    メニエール病は、突然めまいになり、グルグルと回っている感じがします。めまいは、数分から数時間かかることもあり、人によって違います。
    メニエール病になると、乗り物酔いになりやすくなります。

    めまいの再発も短期間(数日おき)でめまいが起きる方と、数ヶ月に1回程度と人によって症状が異なります。

    めまいが起きているときは、自律神経が乱れて、吐き気・嘔吐・顔面蒼白・冷や汗・頭痛、耳鳴りなどの症状が起きます。

    メニエール病は、根本的な原因がはっきりしておらず、薬での対策か、あまりにひどい時は、手術で対策することがあります。

    メニエール病が疑われるときは、耳鼻科での検査をおすすめします。

  • レルモワイエ症候群→耳鼻科

    レルモワイエ症候群は、めまい・難聴・耳鳴りの3つが同時に起き、乗り物酔いをしやすい症候群です。

    最初に耳が聞こえづらくなり、音が聞こえなくなると、急にめまいになります。数時間経つと、音が聞こえるように元に戻ります。

    メニエール病と症状は似ていますが、メニエール病は複数の症状が同時に起きますが、レルモワイエ症候群は、1つ1つの症状が交互に現れます。

    レルモワイエ症候群は、メニエール病の一種として扱われています。レルモワイエ症候群が疑われるときは、耳鼻科での検査をおすすめします。

  • 内耳炎→耳鼻科

    内耳炎は、耳の内耳に炎症が起きる病気です。内耳炎は早めの治療が必要な病気です。

    内耳とは、耳の奥にある平衡感覚を知覚する三半規管があるところです。三半規管には、リンパ液が入っていて、リンパ液の傾きにより平衡感覚を感知しています。

    内耳炎が起きると、乗り物酔いをしやすくなり、内耳炎が起きた方の耳が聞こえづらくなる・耳鳴り・耳閉塞を感じます。

    内耳炎が悪化すると、難聴になる可能性や、髄膜炎(ずいまくえん・脳・脊髄の髄液の周辺に炎症が起き、てんかん・難聴などが起きる)のリスクが高まるため、早期治療が必要です。

  • ジャンブリング現象 →耳鼻科

    ジャンブリング現象は、常にフワフワした感じになる症状です。横なっても立っていてもフワフワした感覚が止まらない状態になります。

    ジャンブリング現象の原因は、耳の奥にある内耳、内耳と脳幹をつなぐ「前庭神経(ぜんてい・しんけい 三半規管と耳石器(じせき・き)で平衡感覚を知覚する場所)に障害によります。

    似た病気として「仮性ダンディ症群」があります。仮性ダンディ症群は、中脳・小脳に障害が起きた時に起きます。

    ジャンブリング現象は、気のせい、たまたまと思いがちで、他人に症状を言っても信じてくれないこともあるので注意です。フワフワした感覚が続くようなら、耳鼻科にて検査をしてもらうとよいです。

大人になって乗り物酔いになる関係する病気【脳に関する病気

  • 一過性脳虚血発作(いっかせい・のうきょけつ・ほっさ)→脳神経科、内科

    一過性脳虚血発作は、一時的に脳の血管が詰まり、突然のめまいなどが起きます。

    症状はどこの脳の血管が詰まったかによって症状が異なります。例えば、首の内側から脳に走る動脈が詰まると、フワフワした感じなったり、目の前が真っ暗になり、片側の上半身か下半身にしびれ・マヒが起きることがあります。

    一過性脳虚血発作は、低血圧の方、大人で乗り物酔いを訴える方に多いです。特に血圧が低い時に一過性脳虚血発作が起きることがあるので、寝起きなどの血圧が低い時には注意が必要です。

    気になる症状があれば、内科・脳神経科などでの検査をしておくことをおすすめします。

  • 脳出血(小脳・脳幹)→脳外科

    脳出血が発生していて、乗り物酔い・めまいが急に起きることがあります。

    脳の小脳・脳幹に渡る部分で出血があると、めまい・乗り物酔いをしやすくなります。小脳はバランス感覚をつかさどる脳です。脳に繋がっている動脈の2つのうちの1つ「頚椎脳底動脈」で出血があると小脳に血液が行き渡らず、バランス感覚が不全になります。

    脳出血の10%~16%は、小脳付近での出血があることから、グルグルと目が回るようなめまいがしたら注意が必要です。

    脳に繋がるもう1つの「内頚動脈」での出血時にはめまいはあまり出ない事が多いです。出血する場所によりますが、頭痛・嘔吐・二重に物が見えるなどの異常がでます。

    脳出血が疑われる場合は、早めに病院での検査をする必要があります。

  • 脳梗塞(小脳)→脳外科

    脳梗塞は、脳の血管が血栓などで詰まり、その先に血液が流れなくなる病気です。

    脳の血管の病気のうち、約60%が脳梗塞です。脳梗塞は、脂質異常・コレステロール過多により血栓が起きるリスクが高まります。

    脳梗塞が小脳付近で発生すると、ふらつき・めまいなどが起きます。小脳で起きる小脳梗塞は、乗り物酔いをしやすくなりますが、あまりヒドく酔う感じがありませんので注意が必要です。

    そのため、疲労・寝不足・血圧などが原因かもしれない、と考えてしまう事が多いです。

    検査は、脳のMRIを使って、脳梗塞の場所を確認しないとわからないため、健康診断で脳梗塞が疑われる方は、気になったら検査をすることをおすすめします。

  • 脳腫瘍(小脳)

    脳腫瘍は、子供でも起きうる脳に腫瘍ができてしまう病気です。

    小脳に腫瘍が影響を及ぼすと、クラクラしたり、周りがグルグル回るようなめまいを感じます。乗り物酔いも突然ヒドくなる感じがあります。

    高血圧の方は血圧が上昇すると、クラクラすることがありますが、脳腫瘍によるグルグル回る感じはもっとひどいめまいになります。

    急にグルグルとしためまいを感じるようなら、早めに病院での検査をおすすめします。

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大人になって乗り物酔いになる関係する病気【低血圧に関する病気】

  • 低血圧・シャイドレージャー症候群

    血圧が低くなっている時に、歩くとめまい、乗り物酔いをしやすくなります。

    血圧が低い時は、寝ている時、起床時、排尿後などです。

    普段から血圧が低い方が乗り物で寝るときは、冷えないようにして血圧が下がらないようにすることが大切です。

    また、自律神経失調から乗り物酔いになるシャイドレージャー症候群があります。

    シャイドレージャー症候群は小脳の萎縮、自律神経の乱れが原因で乗り物酔いになることがあります。

乗り物酔いをしやすい人の原因とは?

乗り物酔いをするのは、3つの要素が関係しています。

  • 耳(三半規管・耳石器)

    耳には、三半規管・耳石器(じせきき)という2つの器官が平衡感覚・バランス感覚を感知しています。三半規管・耳石器を合わせて「前庭迷路(ぜんてい・めいろ)」と呼びます。

    三半規管には、リンパ液が入っていて、リンパ液がどのように動くかによって回転の情報を脳に伝えます。
    耳石器は、砂のような炭酸カルシウムが入っていて、前後の動き、体の傾きの情報を脳に伝えます。

    特に乗り物酔いは、リンパ液が動くことでバランス感覚を失うことがあるので、頭を固定して、リンパ液が動かないようにすると乗り物酔いをしづらくなります。

  • 目・鼻・心などの感覚

    乗り物酔いは、耳の回転情報の他に、目・鼻などの感覚や、心の状態も影響を与えています。

    進行方向と逆方向を見ていると、気分が悪くなったります。目は錯覚を見ることで乗り物酔いを起こします。

    鼻は、ガソリンの匂いなど不快なニオイを感知すると、気分が悪くなることがあります。

    心は、過去に乗り物酔いをした記憶や、他の人が気分が悪いのをみて、自分も酔いそうと思うと、乗り物酔いになることがあります。

    これらの感覚器官・心も乗り物酔いに繋がる原因です。

  • 小脳(前庭小脳)

    小脳は、前庭小脳(ぜんてい・しょうのう)という部分があり、バランス感覚をつかさどる場所があります。

    耳・目・鼻・心などの情報が前庭小脳に入ってきて、バランス感覚を調整します。前庭小脳が上手く働かないと、乗り物酔いをすることになります。

    例えば、アルコールを飲み過ぎて足取りがおぼつかなくなるのも、前庭小脳が上手く働いてない状況なのです。

    また、前庭小脳に病気があるときもめまい・乗り物酔いが起きることがあります。

乗り物酔いをしない人と乗り物酔いをする人の違いは、特に前庭小脳が回転や揺れに慣れていることがあります。

子供は前庭小脳が発達していないので乗り物酔いをしやすいです。ですが、車に乗ったり、鉄棒などの運動をすることで経験を積み、前庭小脳にバランス感覚が身についてきます。

大抵の場合、20歳までには、前庭小脳はある程度の成長をするので、成人したら乗り物酔いは治ることが多いです。

乗り物酔いは「動揺病(どうようびょう)」というように1つの病気です。

大人になっても乗り物酔いがひどいときは、一度病院で見てもらっても良いかもしれません。

これから旅行でバス・飛行機を使って旅行を楽しみたい、という方は、早めに治療をしておくとよいと思います。

まとめ

  • 大人の乗り物酔いは、裏に病気が隠れていることがあるので注意する
  • 急に乗り物酔い・めまいがするようになったら、念のため、病院での検査をする
  • 乗り物酔いは、耳・目・鼻・心・小脳が関係して乗り物酔いを起こしている

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