狭心症は不整脈の関係 症状と心筋梗塞への移行を予防するには

狭心症 不整脈

最近、ストレスの増加や高齢化により心臓疾患・狭心症、心筋梗塞になる方が増えています。

狭心症は心臓の筋肉(心筋)が厚くなったり、新筋繊維の弾力がなくなるなど心臓への負担が増加することで発症します。

また糖尿病・脂質異常症・高血圧・肥満などにより動脈硬化が進み、動脈に血液が流れづらくなり血栓ができやすくなり心臓に負担がかかることになります。

狭心症は突然起きるのではなく、健康診断などを受けていれば不整脈や心臓肥大などの前兆があります。

気を付けたいのは心臓の負担が増加することで、狭心症だけでなく、心筋症・心筋梗塞・心臓弁膜症などといった心臓病に発展するリスクが高くなります。

そのため、健康診断などで心臓への負担が高まっている・心肥大などの心臓の形・構造が変化している時は早めに病院で精密検査を受け、狭心症の予防をすることが大切です。

ここでは狭心症と不整脈の関係、狭心症の症状、予防法などについてご紹介します。

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狭心症は不整脈の関係とは?

狭心症は不整脈が原因になって起こりやすい心臓病の代表です。狭心症が進行・悪化すると心筋梗塞になります。

狭心症は心臓に酸素や栄養を送る「冠動脈(かんどうみゃく)」があり、冠動脈が狭くなることで発症します。

狭心症は一時的に激しい胸痛があり動悸などがあり、多くは5分程度で収まります。ですが胸痛が収まらない時は心筋梗塞となり危険な状態になることがあります。

狭心症は運動時に発生しやすい「労作狭心症(ろうさく・きょうしんしょう」、安静時・睡眠時に発生しやすい「安静狭心症」があります。

狭心症と不整脈の関係は、心臓の心房(しんぼう)の痙攣が原因になる安静狭心症、脳梗塞に関係しやすいです。

<狭心症・不整脈の関係>

  • 労作狭心症

    労作狭心症は運動している時に起きやすい狭心症です。

    運動時に脈が飛ぶ・心拍のリズムが一定でない調律異常の不整脈がある方は注意が必要です。

    労作狭心症は、心臓につながる冠動脈の血管の内部がコレステロールなどで狭くなり血流が悪くなることで発症します。

    冠動脈が狭くなるのは動脈硬化といい、糖尿病や高脂血症などの病気が関係していることが多いです。

    冠動脈にアテローム(粥腫・おかゆのような塊)が出来ると、血管が硬くなり血液が流れる部分が狭くなります。アテロームの出来始めは、血液が流れにくくなり血圧上昇などの初期症状があります。

    やがてアテロームが破れやすい状態になると、血管内部に血栓ができやすくなります。血栓は血の塊のことで、血栓が血管に流れだすと脳の血管に脳梗塞、心臓なら狭心症・心筋梗塞になるリスクが高まります。

  • 安静狭心症

    安静狭心症は、睡眠中や朝方に起きやすい狭心症です。

    安静にしている状態で、交感神経・副交感神経の乱れにより冠動脈が痙攣することで一時的に血管が詰まることで狭心症が発症します。

    不整脈の種類としては「洞性頻脈(どうせい・ひんみゃく)」に注意が必要です。洞性頻脈は、心拍のリズムは一定ですが通常より心拍のリズムが早い不整脈の種類です。

    心拍のリズムは正常時は1分間当たり50~100回のところ、100~250回程度で多めで心臓に負担がかかる不整脈といえます。

    安静狭心症は強いストレスや寒さ/暑さなどの変化で血管の収縮が起こることが多いです。

    特に、朝方7時~12時、夜22時~3時くらいに狭心症になるケースがあります。

    安静狭心症は冠動脈の痙攣で原因のため、心筋梗塞になることは多くないですが、長く続くと心室細動(血液循環が止まり、心臓停止になる危険性が高い心臓病)になる可能性もあるので注意が必要です。

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狭心症の症状は?

狭心症と症状は、心筋梗塞の症状と同じです。狭心症の症状が長く続くと心筋梗塞になります。

<狭心症の症状・気を付けたいポイント>

  • 強い胸の痛みが、突然に起きる

    狭心症の症状は強い胸の痛みが突然起きます。

    胸が締め付けられる痛みがあり、胸だけでなく痛みが広がる特徴もあります(放散痛)

    狭心症の痛みは,胸だけでなく、みぞおち・あご・歯・肩・背中などに痛みが広がることがあります。胸だけ痛いこともあります。

    ■狭心症の胸痛の特徴
    ・胸が締め付けられるような痛み
    ・胸が圧迫されるような痛み
    ・階段を上がった時、重いものを持った時、早足で歩いた後などの胸痛(労作狭心症)

  • 動悸・息苦しさ

    胸痛と一緒に現れる症状は、動悸・息苦しさがあります。

    運動した時に起きる労作狭心症は、軽い運動をした後に動悸・息切れが起きるので、疲れなどが原因と考えがちですが、胸痛がある場合は、病院での診察・検査をおすすめします。

    ポイントは強い胸痛が起きる点で、いつもとおかしいな?と思ったら、運動などは中止して安静にすることが大事です。

  • 胸痛は5分程度で止まる、15分以上は救急車を呼ぶ!

    狭心症の多くは、5分程度で痛みが止まります。

    ですが、狭心症は心筋梗塞につながる可能性があります。胸痛が15分以上続く時は、躊躇なく救急車を呼ぶことをおすすめします。

    心筋梗塞は、血栓が心臓に詰まり心臓の心筋に血液が行かなくなり、約20分程度で心臓の細胞が壊死していきます。

    心臓の細胞が壊死していくと、心臓が正常に動かなくなり後遺症が残ったり、心不全(心臓から血液が送られなくなる)が起きます。

    大変危険な状態なので、胸痛が続く時は早めに救急車を呼ぶことを心がけて頂きたいです。

痛みがない心筋梗塞もある「無痛心筋梗塞」

心筋梗塞の中には、痛みが感じない「無痛心筋梗塞」があります。

無痛心筋梗塞は、糖尿病の患者さんに多い心筋梗塞です。

糖尿病になると、痛みの神経に障害が生じて、心臓の痛みが感じないことがあります。

糖尿病の方は、心臓の病気についても問題ないか定期的にチェックすることが大事です。

狭心症から心筋梗塞への移行を予防するには

狭心症は、運動時に発生しやすい労作狭心症、寝ている時に起きやすい安静狭心症があります。

中でも労作狭心症は、血管が詰まったり、血栓ができる動脈硬化が原因になりやすいです。運動時に起きる狭心症は、運動時の疲労が原因と勘違いしやすいので注意が必要です。

心筋梗塞は、冠動脈が詰まる・血栓ができることで発症する病気で、狭心症は心筋梗塞の初期症状とも言えます。

心筋梗塞・狭心症は、単独で進行することは少なく、高血圧・糖尿病・高脂血症などの病気の合併症が原因になり、動脈硬化が進むケースが多いです。

動脈硬化は、狭心症・心筋梗塞だけでなく、血栓が出来る場所により、脳梗塞などの血管が詰まる重大疾患に繋がります。

動脈硬化を抑えるためには、悪玉コレステロールを減らし善玉コレステロールを増やすために、脂質・糖質の取り過ぎを減らし、青魚などのオメガ3脂肪酸をとったり、運動をすることが大事です。

ただし狭心症などの心臓疾患のリスクや不整脈がある場合は、医師の診断のもと軽めのウォーキングなどの運動をしながら、食生活を改善していくことが大事です。

また、血圧が上がる行為である、激しい運動・熱い風呂に入ることやストレスを減らす・アルコールの取り過ぎなどに注意をしていただきたいです。

まとめ

  • 不整脈は狭心症・心筋梗塞になるサインの1つである
  • 狭心症は運動時に起きる労作狭心症、睡眠時に起きる安静狭心症がある
  • 狭心症の症状は強い胸痛が5分程度続く、更に続く時は心筋梗塞の疑いがあるため救急車を呼ぶ

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