足の血管がクモの巣のように浮き出るのは病気?原因と治す対策

足の血管が目立つ

足の血管がクモの巣のような静脈が浮き出ているなら注意が必要です。

細く青紫色に見える血管は、心臓に戻る静脈の血流が悪い状態です。

足に血管がクモの巣状に浮き出るのは、女性に多く遺伝・肥満なども関係しています。

静脈が浮き出るのを放っておくと、場合によっては重大な病気になることもあります。

足の血管がクモの巣状に見えていたのが、血管が立体的に浮き出てきてくると「下肢静脈瘤(かし・じょうみゃく・りゅう)」という病気になります。

さらに、エコノミー症候群といった血管の流れが悪くなることで、血の塊(血栓)が出来て、肺に詰まる肺動脈塞栓症や、静脈にそって皮膚が痛み歩けなくなる下肢表在静脈炎などと言った重大な病気に繋がる可能性があります。

足の血管が浮き出て見えるのは、足のむくみも関係しています。

女性ホルモンの影響、仕事などで立ちっぱなし、デスクワークでのふくらはぎを動かさないことが関係することもあります。

そこで、足の血管がクモの巣状に浮き出て見える原因と治す対策について、ご紹介します。

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足の血管がクモの巣のように浮き出るのは病気?

足の血管がクモの巣状に浮き出るのは「下肢静脈瘤(かし・じょうみゃく・りゅう)」という病気の症状の1つです。

下肢静脈瘤は、足にある静脈が詰まり、コブ(瘤)になる病気の1つです。

症状が軽ければ、見た目が赤紫色の血管(静脈)がクモの巣状にはって見えることが多いです。

足の毛細血管が切れて浮き出ていると言われますが、正確には血流が悪くなり血管が広がって目立っているのです。

女性ホルモンの影響で、血管が拡張することもあり、男性より女性が約3倍以上多いです。そのため姙娠すると一時的に足に血管が浮き出る症状が出ることがあります。

足の血管の浮き出る模様や静脈の太さにより、下肢静脈瘤の進行度を簡易的にチェックすることができます。

<足の血管が浮き出る・下肢静脈瘤の重症度>

  • 初期症状1:クモの巣のような血管で細い(直径1ミリ以下)

    足にクモの巣のような血管が見えても直径1ミリ程度で、一時的なものなら問題ないです。

    ↓初期症状は太もも、ふくらはぎの血管が「クモの巣状」に浮き出ます

    足に通っている静脈の太い部分は正常で、毛細血管のような細い部分の血流が悪くなっている状態と言えます。

    クモの巣になっている静脈が、1,2本ふくらんでいる状態なら、下肢静脈瘤の初期症状です。

    足のストレッチ、ふくらはぎを揉むなどのマッサージで足の血行を改善するとよいです。

    1日中の立ち仕事やデスクワークで足がキツイ時は、加圧式ストッキングなどを履くと楽になります。

  • 初期症状2:網の目のような血管で細いやや太い(直径2,3ミリ)

    網の目のように青紫色の静脈が横・斜めに浮き出ており、直径も2,3ミリなら要注意と言えます。

    足の血管が網の目

    クモの巣のように血管が集中しておらず、網の目のように静脈が浮き出ているなら、

    足のむくみ、痛み、静脈の太さが太くなってくるなどの症状が出てくるなら、病院での検査をおすすめします。

  • 中度~:浮き出た血管が4ミリ~8ミリ

    静脈が浮き出て4ミリ~8ミリになると、足静脈のポンプ機能は壊れており、早めに病院に行くことをおすすめします。

    足の血管の静脈には、血液が心臓に向かって上がるのと同時に、下に戻らないよう血管に「弁」があります。

    足の静脈の弁が壊れると、静脈の中で血液が上に上手く上がらないようになります。すると、血液が足にたまっていき、むくみ・血管が拡張するのです。

    血管が拡張すると、毛細血管が切れて内出血したりすることで、足に青紫色のクモの巣のような模様が見えるのです。

    足静脈の弁が壊れてしまうと、下肢静脈瘤になるリスクが高まります。

    早めに病院で検査・治療をして頂きたいです。

  • 重度:浮き出た血管が8ミリ以上

    足の血管が浮き出て、8ミリ以上になると、重度の下肢静脈瘤と言えます。

    下肢静脈瘤の重度

    静脈の血液がたまると、足がだるい・重い・足がつる・むくむ・痛み・かゆい・熱いといった自覚症状を感じます。

    新しく栄養のある血液が足に行かなくなるため、皮膚が酸素不足なります。すると、湿疹・かゆみ・皮膚の色素沈着などの症状が出ることもあります。(うっ血性皮膚炎)

    下肢静脈瘤が重症化していくと、足が重く疲れやすい、鈍い痛み、寝ていると急に足がつったりします。足が痒くて引っ掻いていると、皮膚組織が壊れていくため、注意が必要です。

足の血管が目立つのは、毎日少しずつ変化していくこともあり、気付きにくいです。

足の不調を感じたら、下肢静脈瘤の可能性がないかチェックして頂きたいです。

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足の血管が目立つようになる原因は?

足の血管が目立つのは、足に血液が溜まって、血管が拡張・毛細血管が切れることで目立つようになります。

足の静脈は、皮膚の深い部分を通っているので、通常は見えづらいです。足の付根(鼠径部・そけいぶ)と膝の後ろ(膝窩部・しつかぶ)の2箇所だけは、足の静脈がよく見える部分です。

そのため、足の静脈が見えてしまうのは足の血行が悪い証拠なのです。

なぜ、足に血液がたまりやすく、血行が悪くなりやすいのかは、動脈と静脈の仕組みを知る必要があります。

人間の血管には、動脈と静脈があります。

動脈は、心臓から肺から吸った酸素を含む栄養のある血液が流れ、体中の細胞に栄養を与えていくルートです。

静脈は、動脈から体の細胞に栄養が行き渡り、酸素などの栄養がない老廃物を含んだ血液が心臓に戻るルートです。

足の先の細胞にも動脈の血液が毛細血管を通して、栄養が行き渡ります。血液が心臓へ戻るには、足にある静脈を使って心臓に戻ります。

足の場合は下に降りる血液は重力で下がりやすいですが、血液を上に上げるにはかなりの力が必要になります。

足の上に血液が上がるには、足の静脈に逆流を防ぐ「弁」があるために、大きな力を必要とせず血液を心臓に戻すことができます。

足の静脈は、しょう油のチューブに似ています。しょう油のチューブでふくらんだ部分を手で押すと、しょう油が出ます。ですが手で離しても、しょう油はチューブに戻らず、こぼれないようになっています。

立ちっぱなしや、ふくらはぎの筋肉不足、足の運動不足などにより、足の静脈弁が働かなくなります。

静脈に血液が溜まり過ぎると、弁が上手く動かなくなり、壊れてしまうのです。

足の静脈弁は、負荷がかかりやすいので、壊れやすいです。そのため、足の弁が壊れる、下肢静脈瘤の方が多いのです。

足の血液がクモの巣のように浮き出るのを治す対策は?

足の血液がクモの巣のように浮き出てしまう下肢静脈瘤を治す方法は、重症度によります。

病気だけでなく、美容面でも、足の血管が目立つと素足を見せたくないといったこともあります。

ここでは、出来るだけ負担が少ない足の浮き出た血管を治す方法をご紹介します。

<足の血液が目立つ・浮き出るのを治す方法>

  • 弾性ストッキングを履く

    弾性ストッキングは、女性用ストッキングに似たストッキングで履くだけで、下肢静脈瘤を予防・改善できます。

    弾性ストッキングは、足全体を加圧して足を締め付ける点で、女性用ストッキングとは少し違います。

    締め付けるというと痛そうですが、弾性ストッキングは履くのは大変なストッキングです。

    ですが、一旦履いてしまうと、足の血流が改善されることで、足の負担がなくなります。

    足のむくみ、痛み、重さがなくなり、1日中立ち仕事をしていても、足の負担が少なくなります。

    弾性ストッキングは、医療の現場でも多く使われています。

    手術中に血栓ができないよう弾性ストッキングを履いて手術をしたり、立ち仕事ナースの方も履いている方が多いです。

    弾性ストッキングの値段もお手頃な価格のものがありますので、足の静脈血管が目立つなら試してみて頂きたいです。

  • 硬化療法(こうか・りょうほう)

    硬化療法は、病院で簡単な手術を行います。

    硬化療法は、足にできた浮き出た血管を硬化剤により血管を詰まらせて、改善する方法です。

    血管をわざと詰まらると、血管が別のルートを通るようになり、青紫色の血管がなくなるのです。血管をつまらせると聞くとちょっと怖いですが、人間は年中、血管を壊したり作ったりしているので問題ありません。

    硬化剤には、高張食塩水、ポリドカノールといった薬が使われます。

    浮き出た血管に注射で硬化剤を入れる簡単な手術をします。(5分~10分程度)

    硬化療法は1回では終わらず、数回やることが多いです。

    また硬化療法により、足のしこりや色素沈着が起きることがあります。治るまでの一時的なものですが、気になる方は、医師に相談しておいたほうがよいです。

この他にも静脈瘤を引き抜くストリッピング治療などがあります。

足の静脈が浮いて見えるのを治すのは、美容的な目的か、下肢静脈瘤の悪化を治療するかにより治療方針が変わります。

足の血管が浮いて見える下肢静脈瘤は、重大な病気にもなるケースがあるため、注意して頂きたいです。

まとめ

  • 足の血管が目立つのは、足に血液がたまる下肢静脈瘤の可能性がある
  • 下肢静脈瘤は、悪化すると血栓が出来る肺動脈塞栓症・下肢表在静脈などの病気のリスクがあるので注意
  • 下肢表在静脈の初期症状の段階なら、加圧・弾性ストッキングで改善を目指す

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